「命綱の82歳老母の年金がもうじき入らなくなる」20年以上無職の50歳息子が一転、月収20万円になれた裏技
■ずっと無収入だった50歳息子に定期収入ができて老母も一安心 「家賃収入を得られるのは母親としても安心できますが、不動産管理については、息子は素人です。はたして大丈夫なのでしょうか?」 この質問に対しT氏は次のように答えました。 「家賃の回収、家賃を雅彦さんへお振込み、入居者とのトラブル対応は全て弊社が行います(※)。物件購入後、雅彦さんが何かすることはありません。また、不動産購入後もご不明な点や気になることがありましたらいつでもご連絡ください。すみやかに対応いたします」 ※どこまでの業務をお願いできるかは、それぞれの不動産業者次第。 「そうなのですね。それは安心しました」 母親もほっとした表情を浮かべました。 面談の最後に「母親からいくらの現金贈与を受けるのか?」も話し合うことにしました。 母親の老後資金を確保する必要もあるので、母親からの贈与は2100万円とし、諸経費分など足りない費用は雅彦さんの預貯金から出すことになりました。 面談後、母親から現金の贈与を受けた雅彦さんはリースバック物件の売買契約を結び、無事3つの物件を購入することができました。 雅彦さんに初回の家賃が振り込まれてからしばらくしたのち、雅彦さん、T氏、筆者の3人はお祝いを兼ねて食事会をすることになりました。 その席で雅彦さんは次のように言いました。 「おかげ様で毎月の収入も得られるようになったので一安心です。現在の親子二人の生活費で足りない部分は障害厚生年金でカバーできているので、家賃収入のほうは貯蓄することにしました。今回の対策で将来の備えもできましたし、とても満足しています」 リースバック物件にも一定のリスクはありますが、今後の人生の算段がついた雅彦さんの嬉しそうな顔を見たT氏と筆者は笑顔で頷き返しました。 ---------- 浜田 裕也(はまだ・ゆうや) 社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 平成23年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本『第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え』を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことからひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりのお子さんをもつご家族のご相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりのお子さんに限らず、障がいをお持ちのお子さん、ニートやフリータのお子さんをもつご家庭の生活設計のご相談を受ける『働けない子どものお金を考える会』のメンバーでもある。 ----------
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田 裕也