「水素調理」に「水素栽培」…旅館やホテルが続々“水素”を導入するワケとは?【THE TIME,】
このレタスは週に1度収穫され、土日に朝食として提供。客からも、「体に優しい感じで嬉しい」「環境にもやさしくていい」と評判です。 ホテルで使う水素を作っているのは5kmほど離れたところにある工場『レゾナック』。 原料は全国の自治体から集めてくる大量のプラスチックごみで、機械で細かく裁断した後に、高温の炉で燃やします。 その時に発生した水素だけを地下のパイプラインでホテルに送っているのです。 ちなみに、ゴミを燃やす時に出たCO2は、ドライアイスや炭酸水に再利用しています。 ホテルの電力は水素が20%で、残り80%も食品廃棄物から生成するバイオガスと“CO2フリー”。地球に優しいエネルギーを使う事は、ホテル側にも大きなメリットがあるといいます。 『川崎キングスカイフロント東急REIホテル』佐田大樹さん: 「何気なく過ごしているだけで環境への取り組みに貢献できているという、他のホテルでは味わえない体験が、お客様に選んでいただけるポイントの一つになる」 ■水素エネルギーで育てたエビを目玉商品に 老舗ホテル『龍宮城スパホテル三日月』(千葉・木更津市)も、2026年に水素エネルギーを導入する計画です。 ホテル近くの土地に水素の製造装置を建設し、家庭から出た空き缶や工場などで廃棄されたアルミニウムから水素を取り出し、電力として使用する予定。 ホテルの敷地内では車エビなどを養殖し、館内の釣り堀で釣ったエビを素揚げで食べたり、茶碗蒸しにして夕食に提供したりと大人気ですが、将来的に「水素エネルギーで育てたエビ」として目玉商品にする計画だといいます。その狙いは… 『龍宮城スパホテル三日月』幾川雅統さん: 「食の循環やエネルギーの循環を、実際この場で観られるのがメリット。お金に代えられない学びの旅行ができる」 ■“水素のまち”が目指すのは 水や化石燃料、廃プラスチックなど、あらゆる資源から作ることができる「水素」。 ホテル業界をはじめ世界が注目する中、福島県に“水素のまち”も誕生しています。