大阪の民家でヒアリの死がい発見 家電製品の箱から女王アリ
環境省は10日、大阪府八尾市の住宅で、中国から輸入された家電製品の段ボール箱の中から、猛毒を持つ特定外来生物「ヒアリ」の死がいを確認したと発表した。 【拡大写真付き】昨年7月には大阪でも「ヒアリ」確認 回収した死骸の中に女王アリ
八尾市内の小売店で購入した家電製品の箱に
環境省によると、今回ヒアリが見つかった家電製品の箱は4月上旬に中国広東省の工場で梱包された後、コンテナに積まれて大阪港へ出港した。同月中旬に大阪港へ到着しコンテナを陸揚げ。泉大津市内の事業者の倉庫内で輸入業者が積荷を取り出し保管した後、八尾市内の小売店に出荷された。 9日にその小売店で家電を買った人が、八尾市内の家で梱包されたダンボール箱を開けたところ、ヒアリの死がいが見つけ輸入業者に連絡。環境省が専門家に鑑定を依頼したところ、ヒアリと確認された。
発見場所周辺から侵入したり、ほかのアリが外へ出た可能性は低い
今回確認されたヒアリは女王アリで、死んでから一定の時間が経過している様子だという。環境省では、輸入業者に対して製品の運搬経路や保管場所の状況確認を求め、現在のところヒアリと疑わしいアリは確認されていない。発見状況から今回のヒアリは発見場所周辺から侵入したり、ほかのアリが外へ出ていった可能性は低いとみられるという。 環境省では輸入業者に対し、ほかに混入の恐れがないかさらなる確認の実施するよう求めた。また、今後同様のルートで製品を輸入する際にヒアリなどが混入しないよう、梱包や保管する場所、積み出し港の状況を確認するなどの対策を講じることを求めている。
疑わしいアリ混入の際は殺虫剤で処理素手でさわらないで
ヒアリは昨年5月、国内で初めて兵庫県尼崎市内で発見されている。その後、同11月までに12都道府県で26件確認されている。 今年に入って確認されたのは今回が初めてで、民家で発見されたケースも初めてだった。環境省では、海外からの輸入品にヒアリが混入するリスクが改めて認識されたことから、購入した梱包製品の中身に疑わしいアリが混入していた場合は市販のスプレー式殺虫剤で処理し、素手ではさわらないようにと注意を呼びかけている。 また、発見した場合やヒアリの特徴などについての問い合わせは「ヒアリ相談ダイヤル」(電・0570-046-110)の利用を呼びかけている。受付時間は月・水・金・土・日曜日、祝日の午前9時から午後5時まで。