テーブス海が抱き続けたアルバルク東京への思い「『何もしていない選手』に託してくれた感謝の気持ちをずっと持っていました」
「この1年間の経験は自分にとって本当に大きいです」
アルバルク東京は、チャンピオンシップ(CS)クォーターファイナルで琉球ゴールデンキングスと対戦。勝者がセミファイナル進出となる第3戦は一進一退の攻防を繰り返す激闘となったが、57-58で敗れてシーズンが終了した。 今シーズンのA東京は、48勝12敗とレギュラーシーズンでのBリーグチーム最多勝利を記録。2年目となるデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ体制で戦術がより浸透したことに加え、ブラジル代表のレオナルド・メインデル、日本代表のテーブス海ら新戦力もフィットして順調に白星を重ねた。優勝しても驚きのない戦力と充実した戦いを見せていたが、CSは敗れた2試合はともに1点差と、文字通り紙一重の差で散ってしまった。 テーブスはレギュラーシーズン60試合、CS3試合すべてに先発出場と、中心メンバーとして奮闘した。CS第3戦でも33分11秒とフル稼働した司令塔は終了後、次のようにシーズンを振り返った。 「ものすごくタフな3試合で、チームとして最後の最後まで全力で戦いました。自分たちの目指しているところには届かなかったですが、昨シーズンの王者と第3戦の最後までわからない状況に持ち込むところまで戦えたのは、間違いなくチームの成長です。本当に悔しいです。ありきたりな言葉ですけど、次につなげていきたいです」 滋賀レイクスから移籍したテーブスは今シーズン、リーグ屈指の強豪・A東京の不動の司令塔として大きなステップアップを遂げた。 「このチームでスタートをやらせていただいて、シュート成功率、アシストとターンオーバーの比率、ゲームコントロール、ディフェンスとすべてで成長することができました。この1年間の経験は自分にとって本当に大きいです」。テーブスはこのように自身の成長に手応えを感じるが、一方で頂点にチームを導くことができなかった悔しさは大きい。 CSの大舞台でチームに勝利を届けられる選手になるには、何が足りなかったのかとの問いに対し、テーブスは「多分、進んでいる方向性は間違っていないですけど、やっぱり経験は本当に大きいと思います」と語り、自身が歩んでいくべき成長へのロードマップを次のように考えていると明かした。 「『何かこれをもっと良くしたら勝てる』というのは正直ないです。すべての試合で状況は違ってくるものです。その中で、ポイントガードとして、ここ一番では自分でシュートを決める、アシストをする、プレーコールをするなどいろいろな選択肢があります。自分はどの選択肢が必要になってもしっかりと応えられるガードになりたい。それが僕のスタイルで、一番合っていると思います」