久光製薬V奪還へ好スタート 腰痛で手術の中田監督が指揮
久光製薬V奪還へ好スタート 腰痛で手術の中田監督が指揮THEPAGE大阪
ワールドカップの熱気冷めやらぬ中、バレーボールのV・プレミアリーグ女子が東京体育館で開幕。昨季準優勝の久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)は上尾に逆転勝ちし、V奪還へ白星スタートを切った。一方、チーム初の連覇を目指すNECは、新たに198cmのラヒモア(アゼルバイジャン代表)を獲得した昨季最下位のトヨタ車体にストレート負けし黒星スタート。昨季6位と低迷した日本代表主将の木村沙織所属の東レ(ホームタウン:滋賀県大津市)は同5位の日立に、同7位のデンソーは同4位の岡山にそれぞれ逆転勝ちで白星発進。
悔しい思いをした分、リーグに懸ける
昨季は「レギュラーラウンド」「ファイナル6」を1位通過しながら、最後のファイナル(優勝決定戦)でNECに敗れリーグ3連覇を逃した久光製薬。その後の世界クラブ選手権(5月)でも、欧州チャンピオンのエジザージュバシュ(トルコ)を破りながら予選グループ戦敗退、アジアクラブ選手権(9月)でも決勝でバンコク・グラス(タイ)に逆転負けと結果を出すことができなかった。
その悔しい思いや国際大会の厳しく苦い経験が1セット先取されるという重苦しい状況を打破する“糧”となった。 「負けたくない」。第2セットから久光の動きが一変した。コートキャプテンの新鍋理沙がコースをついたりブロックを利用した巧みな攻撃でリードすれば、ミドルブロッカーの岩坂名奈はブロックで応酬。エースの長岡望悠や石井優希にも当たりが戻り、そこから3セット連取、逆転で勝ち点3を手にした。
「悔しい思いをした分リーグに懸ける思いはみんなあるから。経験を無駄にしたくない。最後は気持ちで」と新鍋。その思いはアタック決定率61.1%、チーム最多の23得点と、数字にも表れた。 中田久美監督も「新鍋がいい、完璧。彼女の“優勝したい”っていう気持ちや岩坂の頑張りや中大路(絢野)の意地。あの悔しい負けがすべてだと思う。国際試合を重ねてきた経験が最後の1点、2点につながったと思う」と目を細めた。