近所に住む30代男性。「生活保護」を受けているようですが、出入りしている人が親族なら「援助」を頼めないのでしょうか?
「近所に住む男性が生活保護を受けているということですが、人が出入りしているのをよく見かけるので元気そうだし、まだ若いから働けるのでは?」と、疑問に思われることもあるでしょう。 生活保護は事情があって働けず、収入がない人が利用できる制度というイメージがあると思います。 実際のところ、受給要件にはどのようなものがあるのでしょうか。 本記事では、30代の男性が生活保護を受けられる理由として考えられるものをご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護の受給要件とは?
厚生労働省によると、生活保護は、所有している資産を売却して生活費に充てたり、働ける能力に応じて働いたりしても、なお収入が最低生活費を下回っている場合に受給できます。 そのほかにも「年金や手当など、ほかの制度で支給を受けられる場合は活用すること」「親族に援助してもらえる場合は援助を受けること」という要件を満たしていることが必要です。 つまり、資産や能力を活用することで最低生活費を上回る収入が得られる場合は、生活保護の受給対象にはなりません。
精神的な病気が原因で働けない場合も受給対象になる
一見健康そうな人でも、精神的な病気が原因で働けずにいる可能性も考えられます。 厚生労働省によると、働く能力については「稼働能力を有するか」「その能力を活用する意思があるか」などの点から判断するということです。 「稼働能力を有するか」とは、つまり「働けるかどうか」ということであり、うつ病などの精神的な病気を患っていて、医師が「働ける状態ではない」と診断した場合は「稼働能力を有していない」と判断できます。 この場合は、年齢の若さに関係なく、生活保護の受給対象になると考えられるでしょう。
親族がいても援助を受けられるとは限らない
「家に人が出入りしているようなので援助を依頼してみては?」と思うかもしれませんが、まず、出入りしている人が親族とは限りません。 そもそも扶養義務のない人に援助を依頼することは難しいでしょう。 また、親族だとしても、必ずしも援助を受けられるわけではありません。 生活保護を申請すると、親族に対して扶養が可能かどうかの調査が行われることがありますが、親族に援助できない理由があれば、拒否することも可能です。