ガザ情勢 全米各地の大学でデモ拡大…学生らの要求は? 抗議のウラ側【バンキシャ!】
緊張するガザ情勢を巡って、アメリカ各地の大学でイスラエルに対する抗議デモが拡大しています。一連のデモによる逮捕者は、全米で2400人以上となっています。なぜ抗議するのか──。バンキシャ!は、デモに参加し、一時拘束された学生を取材。そこにはアメリカの大学ならではのある事情も見えてきました。(真相報道バンキシャ!) 【画像】米名門大学UCLA“反イスラエルデモ”強制排除 ◇ ◇ ◇ 5日、バンキシャ!が話を聞いたのは、22歳のアメリカ人大学生。見せてくれたのは、大学で行われたデモの様子だという、1枚の写真。 デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「これは、最も多くの人が集まっていた時の写真です」 「一番多い時で数百人がいたと思います」 ガザ地区への攻撃を続けるイスラエルに抗議する活動。その動きは今、アメリカ各地へと広がり、これまでに2400人を超える逮捕者が出ている。 自身が通うノースカロライナ大学でも、キャンパス内にテントを張っての大規模な抗議デモが4月末から始まったという。 デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「私は数十人の仲間とテントに寝泊まりしながら活動しました」 「平和的に意見交換したり、(イスラエルに抗議する)アートやポスターを作ったりしていた」 しかし、5日目の朝のこと。警察が乗り込んできて30人を拘束した。自身も一時拘束され、数時間後に釈放されたという。 デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「とても恐ろしかった。今までに経験したことのない事でしたから」 「ただこれは、ガザで起きている恐怖とは比べものになりません。だから自分自身を危険にさらしてでも、ガザに目を向けてもらう必要があると思いました」 アメリカ各地に広がる、イスラエルへの抗議デモ。ではなぜ、デモの舞台に大学のキャンパスを選んだのか──。それは“ある要求”を大学側に伝えるためだという。 デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「大学に求めているのは、イスラエルやイスラエルによる占領・虐殺を支持する企業との取引をやめること」 実はアメリカの一部の大学では、運営のための資金を「学費」や「寄付金」のほか、「企業などに投資することで得た利益」でまかなっている。 学生たちは、投資先の中にイスラエルの関連企業が含まれているのではと疑い、投資先を開示した上で、そうした企業とは取引をやめるよう求めているという。 デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「(ガザの)人々がイスラエル軍によって暴力的に殺されるのを、SNSの画像や動画で目の当たりにしています」 「そのような行為をする人々に、私たちの大学が加担している。私たちの金が流れている。これは言葉にできないほどつらい事です」 ──投資をやめたことで大学の収入が減り、学費があがるとしても関係を絶つことを求める? デモに参加したアメリカ人大学生(22) 「学費は多少あがるかもしれませんが、私たちの怒りを示し、今起きていることを止めるためには多少の犠牲は払います」 一方、大学側は3日、「デモ参加者の多くは学生ではなかった」とした上で、破壊行為や暴力行為があったと非難している。 (5月5日放送『真相報道バンキシャ!』より)