洞窟にヒトラーが…「オオカミの家」の監督2人による新作「ハイパーボリア人」予告公開
「オオカミの家」を手がけたクリストバル・レオンとホアキン・コシーニャによる新作長編「ハイパーボリア人」の予告編がYouTubeで公開された。 【動画】実写、影絵、人形などさまざまな手法で作られた「ハイパーボリア人」予告 実写、影絵、アニメ、人形、16mmフィルム、ビデオ、デジタルを交えて制作された本作。実在した親ナチ文化人ミゲル・セラーノや政治家ハイメ・グスマンが登場し、チリの現代史やナチスドイツがモチーフとされている。物語は、女優・臨床心理学者のアントことアントーニア・ギーセンが、ゲーム好きな患者を悩ませる幻聴が、実はセラーノの言葉だったと知ることで展開。友人に促されるままセラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めたアントは、いつしか謎の階層に迷い込み、グスマンの指令を受けて、国を揺るがすほどの脅威が記録された映画フィルムを探すことになる。 予告にはアントが「チリが舞台のファンタジー映画を捜しています」と語る場面のほか、「その昔 地球はハイパーボリア人が支配していた」「よその惑星から来た半神の巨人だ」というセリフ、「この洞窟にヒトラーがいる」という言葉を収録。このたび場面写真、メイキング写真も公開された。 本作には、主演俳優のアントーニア・ギーセン、監督の2人が実名で登場する。そのことについてコシーニャは「コロナ禍の最中に作ったオンライン演劇に、アントーニア・ギーセンとともに監督である我々も実名で出演した。自分たちが話している映像に謎のウイルスが入り込んできて、映像がゆがんだり、会話が予期せぬ方向に流れていったりするものだった。それが面白かったので、本作でもその構造を生かし、また彼女に自身として出てもらうことがいいのではないかと考えた」と述懐。また数々の人形や、物語の核心に関わる大きな“頭”は、撮影の数週間前から開いていたワークショップで監督2人と参加者で一緒に作ったという。 第77回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品された「ハイパーボリア人」は、2月8日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。ピノチェト軍事政権下で行方不明になった未成年者たちを追悼する短編アニメーション「名前のノート」も同時上映される。オリジナルステッカー付き前売り券はシアター・イメージフォーラム、メイジャー通販サイトで販売中。 (c)Leon & Cociña Films, Globo Rojo Films