順天、安田…東京「中高一貫校」次の激戦区は「23区東・北部」か!?四模試志望動向から読み解く【2025年共学校編4】
● 明暗分けた「安田」と「日大第一」 “湾岸系”では最も難度が高く、上位校とみなしてもいい芝浦工業大学附属(江東区)は、国数理3科の[1日1回]の四模試志望者数が微減傾向にあり、2024年実倍率4.27倍が25年には少し緩むだろう。[2日2回]は微増傾向で、24年実倍率6.01倍が25年に緩むことはなさそうだ。 教科型ではない入試が、2日午後に二つ設定されている。[2日午後言語・探究]は言語技術と探究、算数が課され、実倍率6.12倍とハードルが高いものの、志望者数は緩和傾向なので、25年には6倍を割るかもしれない。[2日午後英語]は英語と算数の2科で、志望者数からすると、さほど多くの受験生が25年入試に集まりそうもない。 隅田川に近い安田学園(墨田区)は、25年入試でどの入試回もさらに人気が高まりそうだ。22年から年々倍率も上がっている。基本4科で適性検査型(1回と3回に設定)もあるというオーソドックスな五つの入試回で、240人を募集している。主入試は100人を募集する[1日1回]で、24年は733人が受験、実倍率2.75倍だったが、志望者数は4割半も増えており、25年は3倍乗せの可能性が濃厚である。[1日午後2回]も志望者数が4割半増えており、24年実倍率2.54倍が25年には3倍を目指すことになり、2倍台の入試回がなくなってしまう可能性も出てきた。 [2日3回]は445人と1回に次いで多い受験者数だが、こちらは実倍率3.74倍とすでに高い。やはり志望者数は4割半増えており、25年は4倍乗せが見えてきている。[2日午後4回]は24年実倍率7.05倍と突出しているが、志望者数は4割弱増えており、25年にどこまで高まるのであろうか。[3日5回]は23年実倍率7.86倍が24年には5.37倍に緩和したものの、志望者数は3割弱増えており、25年に再び7倍台に戻る可能性も否定できない。 安田学園とは公園を挟んだご近所さんである日本大学第一(墨田区)は、日本大学系列校全体と同様の傾向で、四つの入試回がいずれも2~3割減の志望者数からもうかがえるように、25年は倍率が大きく緩和しそうだ。 [1日4科1回]は289人と一番多くの受験生が集まり、実倍率2.19倍と一番受かりやすかったが、25年は2倍前後を目指すことになりそうで、さらに受けやすくなる。[2日4科2回]は24年実倍率2.76倍(23年3.01倍、22年3.94倍)と年々受けやすくなっているが、25年は2倍台前半も視野に入る。 [3日2科1回]は24年合格者数33人と少なく、実倍率は5.3倍だった。[5日2科2回]は同様に20人合格で6.4倍と過酷だったが、それでも23年の8倍よりはだいぶ楽になっている。25年はいずれも5倍を割るかもしれない。