順天、安田…東京「中高一貫校」次の激戦区は「23区東・北部」か!?四模試志望動向から読み解く【2025年共学校編4】
● 中学受験のニューウェーブ“北区系” “北区系”で人気上昇の共学校はまだある。2024年は1.5倍をいずれの入試回も超えなかった東京成徳大学(北区豊島)。160人を募集する中高一貫部は、すべての入試回で志望者数が増えており、25年は1倍台後半から2倍程度の入試回も出てきそうだ。 午前の一般選抜と午後の特待選抜に分かれるが、主力となるのは1日の入試回である。[1日1回一般]は24年に118人が受験して実倍率1.18倍、[1日午後特待]は同様に119人が受験して1.34倍だった。それぞれ志望者数は4割半増と6割増となっており、25年は1倍台半ばを覚悟しておきたい。80人が受験した[2日午後2回特待]の24年実倍率は1.33倍だが、志望者数は1割半増にとどまっているので、25年に1倍台半ばを超えるかは微妙だ。 この他の入試回の受験者数はいずれも50人台なのだが、軒並み25年には1倍台後半を目指す勢いである。25年入試で[5日Distinguished Learner]が加わった。若干名の募集で、個人課題とグループワーク、プレゼンテーションという「探究」の授業のような内容だが、どのくらい受験生が現れるかは未知数である。 「東京さくらトラム」という愛称もついた都電荒川線沿いでは、桜丘(北区滝野川)も志望者数が“全面高”の学校である。五つの入試回があり、基本は2科・4科の教科型となっている。入試得点の得点率を利用して、S特待(入学金と3年間施設費・授業料を全額免除)、A特待(入学金と3年間の施設費・授業料半額免除)、25万円の入学金を免除するB特待をさくら奨学金から認定している。 24年に110人が受けた[1日1回]では適性検査型の入試も同時に行われているが、実倍率は2倍ちょうどだった。志望者数が6割半伸びており、25年は3倍に迫りそうだ。[1日午後2回3年特待]は最多の176人が受け、6.07倍(23年7.1倍)というべらぼうな競争状況だった。22年には1.25倍だったことを考えると、この2年間の人気沸騰ぶりがうかがえるのだが、やはり6割強も志望者数が増えており、25年にはどこまで倍率が上がるのだろうか。 [2日3回]には、2科・4科に加えて適性検査型と英検利用の入試も行われる。24年実倍率は2.1倍とほどよいが、志望者数が8割増で、2倍台後半を目指す勢いとなっている。[2日午後4回3年特待]は、合格者数8人で2.88倍と小規模だが、志望者数は7割増で、25年は3倍乗せも確実だろう。[4日5回]は24年に150人が受験して4.69倍というハードな入試回だったが、8割強も志望者が増えており、25年には5倍、6倍当たり前という状況になりそうだ。