父が急逝しましたが、どの会社の生命保険に加入していたのか分かりません。調べる方法はありますか?
あなたは、両親がどの会社の生命保険に加入しているのかを知っていますか? 両親が突然死亡した場合など、生命保険の加入状況が全く分からないときに、契約の有無を照会できる制度が「生命保険契約照会制度」です。本記事では、当制度の概要について確認してみたいと思います。
生命保険契約照会制度とは
この照会制度は、民間生命保険会社42社(2023年9月11日現在)が加盟する「一般社団法人生命保険協会」で行われています。主に死亡した、または認知判断能力が低下した方が保険契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を、加盟する会員会社に一括で確認できます。 調査の対象となる方を「照会対象者」、調査を依頼する方を「照会者」といいます。照会者が複数いる場合などには、実際に手続きを行う照会代表者1名を定め、ほかの照会者が照会申込等を照会代表者に委任して、申請を行います。 調査の対象となる契約は、照会受付日現在で有効に継続している個人保険契約です。死亡保険金が支払い済みの契約、解約済みまたは失効等の契約は含まれません。 照会の結果は、照会代表者に対して回答されます。照会事由が照会対象者の死亡である場合は、死亡日まで最低3年間さかのぼって調査され、会員会社のどの会社に契約があるかが伝えられます。 さらにその中で、照会者が死亡保険金受取人となっている契約については「請求可能契約あり」と記載され、保険金を請求できることが回答されます。 また当制度の利用は、状況によって「平時利用」と「災害時利用」の2種類に分けられます。次項からは、それぞれの場合における手続きの流れを紹介します。
平時利用とは
「平時利用」とは、照会対象者である親族等が死亡した場合、または認知判断能力が低下した場合に、当制度を利用することを指します。 認知判断能力の低下については、医師による診断が必要となります。平時利用の利用料は、照会対象者1名につき3000円です。また、死亡の場合の照会者の要件は、以下のように定められています。 (1)照会対象者の法定相続人 (2)照会対象者の遺言執行者 (3)照会対象者の法定相続人の法定代理人 この場合は、法定相続人の成年後見人、親権者、未成年後見人、生命保険に関する代理権を付与された保佐人、補助人を指します。 (4)照会対象者の法定相続人の任意代理人 この場合の「任意代理人」の範囲は、弁護士、司法書士、行政書士に限ります。税理士、相続財産管理人、破産管財人からの照会は受け付けられません。 (5)照会対象者の遺言執行者の任意代理人 この場合の「任意代理人」の範囲は、弁護士、司法書士および行政書士に限ります。税理士、相続財産管理人、破産管財人からの照会は受け付けられません。 実際に手続きを行う照会代表者が、上記の要件に該当していない場合には、この制度を利用することができません。