減税で…10月から「ビール」安くなる? “原材料費の高騰で…”価格を維持する醸造所も
日テレNEWS
冷たいビールがおいしい季節です。この秋、酒税改正で減税され、今より安く飲めるようになるかもしれません。物価高のなか、朗報となるのでしょうか。 ◇ 埼玉・越谷市にあるスーパーで、家庭での“ビール事情”を聞いてみました。 「普段ビール系、第三のビール飲む。割と毎日(飲む)。1日350ミリリットル缶を5~6本。(第三のビールは)ビールの中で一番コストのかからない。お値段一番大事!」 ――ビールは飲まない? 「大好きなので、たまに飲む。クーポンで安く手に入る時とか」 “第三のビール”を購入するという別の家族にも聞きました。 「(ビールは)たまには飲みたくなりますけどね」 本当はビールが飲みたいけど、“安いから”と購入する人が多かったのは新ジャンルの“第三のビール”です。さらに安く買おうと工夫している家族もいました。 「6缶パックのだいたいの値段をメモってます」 近所のスーパーをまわり、値段を記録しているのです。 ――今日は719円? 「もうちょっとおさえたい。今日は見送りです」 「本来ならビール飲みたい」 ビール好きにはうれしいニュースになるのでしょうか。 10月からビール系飲料の酒税が改正。「ビール」では、350ミリリットル1缶あたりにかかる税金が、現在の70円から63.35円と6円ほど安くなるのです。一方、「発泡酒(麦芽比率25%未満)」は46.99円のまま据え置き。新ジャンルの「第三のビール」は、現在の37.8円から発泡酒と同じ46.99円まで引き上げとなります。 この3つの酒税は、2026年10月には、すべて同じ54.25円になります。 これについて、スーパーの客からは次のような声が聞かれました。 「ビールの方が当然いいので、安くなったらビール買おうかな」 「このビールが安くなるんですよね? うれしいです。一生懸命仕事しているのは、これを飲むため」 ◇ こうしたなか、メーカーも10月の減税をねらって続々と新商品を販売しています。 キリンビール 執行役員マーケティング部長・山田雄一さん 「ビールの裾野をさらに広げていくことにトライしていきます」 キリンは、ビール離れが進む若者にも飲んでもらいたいと、フルーティーで軽やかな後味のビールを新発売しました。 アサヒは、体への負担を考え、アルコール度数3.5%と通常より低めの商品にしました。 サッポロが打ち出すのは、プリン体と糖質70%オフのビールです。 サントリーは、糖質ゼロの黒ビールを作りました。 ◇ ただ、都内にあるクラフトビールの醸造所では少し状況が違うようです。 ベクターブルーイング浅草橋醸造所で造られているのは、フルーティーでさっぱりした後味が魅力だというクラフトビール。10月以降の減税でも安くできないといいます。 ベクターブルーイング浅草橋醸造所 奥村翔太さん 「原材料費が今、すごく高騰していて、とても下げることができない状況」 現在の価格を維持するといいますが、それでも「減税されることによって話題になると、どんなものだろうと飲んでもらえることは期待しています」と話していました。