角田裕毅、スタートで順位を落としたのが痛すぎた「ストレートが速いヒュルケンベルグに先行され、レースに妥協を強いられてしまった」
RBの角田裕毅は、F1エミリア・ロマーニャGPの決勝を10位で終えた。角田にとっては今季4戦目の入賞であり、喜ぶべき結果とも言えるかもしれない。しかし予選までのパフォーマンスを踏まえ、もっと良い順位も期待されていたことを考えれば、がっかりする部分もある。 【リザルト】F1第7戦エミリア・ロマーニャGP:決勝結果 これについて角田は、スタートがうまく行かなかったことが「僕らのレースに妥協を強いることになった」と語った。 角田は予選で7番手タイムを記録した。フリー走行でのペースを見ても、今回の角田が持つペースは予選順位より上にあってもおかしくはなく、かなりの好結果が期待された。 しかしスタート直後にふたつポジションを落としてしまうことになった。しかもそのうちの1台は、直線スピードが速く、抜きにくいハースのニコ・ヒュルケンベルグだった。角田はコース上でヒュルケンベルグを攻略することができず、打開策としてチームは、ヒュルケンベルグをアンダーカットするために予定よりも早いタイミングで角田をピットに呼び戻した。これによりヒュルケンベルグの前に出ることはできたものの、レース序盤は角田よりも後方にいたセルジオ・ペレス(レッドブル)とランス・ストロール(アストンマーティン)に先行され、10位でフィニッシュするのが精一杯だった。 「(チームの)母国レースの歓声や、ファクトリーからやってきてくれた人たちの前でポイントを手にすることができ、嬉しいです」 角田はそうコメントを寄せたが、妥協を強いられるレースだったと明かす。 「スタートが、僕らのレースに妥協を強いることになりました。ニコにポジションを奪われてしまったからです。彼はストレートが速かったので、僕たちは彼の後ろを走りたくなかったんです。だから、予定よりも早くピットインすることになりました」 「そこはレースの正念場でした。僕らは戦略をうまくマネジメントし、ニコには正しく対応できたと思います。第2スティントは、ハードタイヤですごく長い距離を走らなければいけませんでした。最後の15周、ハードタイヤをマネジメントするのは、とても難しかったんです。でも、チームはうまいことやってくれました。それはポジティブなことです」 なおテクニカルディレクターのジョディ・エジントンは、ヒュルケンベルグをアンダーカットするためにピットストップのタイミングを早めてしまったことで、ストロールに塩を送ってしまったと考えていることを明かした。 「スタートで順位を落としてしまったため、リカバリーするために予定よりも早くピットに入らざるを得なかった。そして、2セット目のタイヤで予定よりも長く走らなければならなくなったんだ」 そうエジントンは語る。 「ただこれにより、ストロールはトラフィックに悩まされることがなく、(1セット目のタイヤで)長い距離を走るチャンスが生まれた。彼はそれをうまく利用したと思う」 角田は、改善すべき主な部分はスタートだと語る。ただ、マシンのパフォーマンスには自信を持つことができているため、次のモナコも楽しみだと語った。 「スタートは僕たちが改善すべき主なトピックです」 そう角田は言う。 「僕らはさらなる一歩を踏み出すために懸命に取り組んでおり、パッケージから最大限のモノを引き出すことに焦点を当てています」 「次のモナコは楽しみです。僕たちは懸命に働いていますし、良いパフォーマンスを見せることができています。最大限のパフォーマンスを発揮できると確信しています」