J1昇格プレーオフで名波、石崎、関塚の3監督の手腕争い
来シーズンのJ1に昇格するチームの最後の椅子を争う「J1昇格プレーオフ」が、30日に幕を開ける。 リーグ戦の3位から6位までの4チームが出場権を得るが、今シーズンは5位に入ったギラヴァンツ北九州がJ1クラブライセンスを保持していないために除外となり、30日の準決勝は4位のジュビロ磐田と6位のモンテディオ山形が磐田のホームで対戦。その勝者が、3位でシードされたジェフユナイテッド千葉と、12月7日に中立地の味の素スタジアムで激突するという変則スケジュールとなった。 ジュビロとモンテディオの今シーズンの対戦成績は1勝1敗。今月15日には、敵地でモンテディオが2対0で快勝している。昨シーズンに初めてJ2降格を喫したジュビロは、FW前田遼一やDF駒野友一といった元日本代表のベテラン勢が残留。開幕前はJ1昇格への筆頭候補に挙げられていたが、優勝した湘南ベルマーレ、2位に入った松本山雅FCの後塵を拝する戦いを常に強いられた。 今シーズンから指揮を執ったシャムスカ監督を解任し、元日本代表でクラブの黄金期を支えた名波浩監督を緊急登板させたのは9月25日。初陣となった愛媛FC戦こそ白星で飾ったが、その後の8試合で1勝5分け2敗と勝ち点を伸ばせず、最終節でジェフに逆転されて4位に順位を下げた。 対するモンテディオも開幕からなかなか波に乗れず、8月を終えた時点では11位に甘んじていた。9月以降の13試合で8勝1分け4敗と白星を大きく先行させ、最終的には6位に滑り込んでJ1昇格プレーオフ出場権を初めて獲得した。 ややモンテディオに勢いがあるようにも映る。しかし、元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「最終戦の結果と内容に違いがあった」と指摘する。 「23日に行われたJ2最終節で、ジュビロは敵地でコンサドーレ札幌に1点を先制されながら、残り10分を切った段階でパワープレーから同点に追いついた。結果は引き分けに終わり、カマタマーレ讃岐に勝ったジェフに逆転されてしまったが、負けなかったことを選手たちはポジティブにとらえられるかもしれない。同じく敵地で東京ヴェルディと対戦したモンテディオは、終了間際の失点で苦杯をなめている。終盤戦の追い上げは見事だったし、7位の大分トリニータが負けたことで6位をキープした点には運も感じさせるが、負けてリーグ戦を終えたことがどのような影響をもたらすのか。直近の直接対決におけるイメージがどれだけ両チームに残っているのかという点も、見逃せない要素だと思う」