敵地5戦5発「僕に懸かっている」 27歳FWは「貴重」、発揮したい駆け引きの感覚【コラム】
上田の離脱で1トップ出場に期待が懸かる小川
森保一監督が率いる日本代表は現地時間11月15日の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、インドネシアとアウェーで対戦する。今回は試合が金曜日に行われるため、入国までの移動トラブルがあったにもかかわらず、比較的、余裕のある形でチームが準備できていることは日本にとってもプラスだろう。谷口彰悟(シント=トロイデン)の負傷辞退により、3バックの中央が誰になるのかという大きな問題はあるが、前線もこれまで1トップのスタメンを張ってきた上田綺世(フェイエノールト)も怪我で外れており、FW争いも熾烈になってきている。 【写真】「美人すぎん?」「誰?」 日本代表FWの隣に“謎の美女”と話題の1枚 1トップの筆頭は小川航基(ナイメヘン)だろう。これまで最終予選の4試合すべてに途中出場し、アウェーのバーレーン戦とサウジアラビア戦で得点を決めている。実は5年前に行われたE-1選手権の香港戦から、出場した5試合すべてのアウェーゲームで得点している“外弁慶”ぶりだ。ある意味、バーレーンやサウジアラビア以上のアウェー感も予想されるインドネシア戦に向けても小川は「サウジアラビアも凄かったですけど、なんかそれ以上の熱気があるんじゃないかなって、また1つ違った雰囲気の中でやるんじゃないかなって思ってるので。本当に美味しいというか、楽しみで仕方ない」と明るい表情で語っていた。 ライバルであり、切磋琢磨してきた上田がいない状況に関しても「こういうチャンスを自分のものにしたいと思っていますし、簡単に点取れる相手でもないと思っているんですけど、僕自身、(中国戦を含めた)この2試合でどれだけ自分が点を取れるかというところが懸かっていると思っているんで、僕自身も期待していますし、楽しみです」と意気込んでいる。 A代表定着まで時間がかかった小川だが、世界の舞台でエースとして日本代表を引っ張るのは自分だと言い聞かせて、腐らずにやってきての今がある。チームが勝てばいいというFWも多くいるなかで、エゴイスティックなまでに、自分の得点にこだわる小川は貴重な存在だ。 もちろん、チームのために守備でハードワークし、ポストプレーでチャンスを引き出す仕事が大前提になることを小川は理解している。スタメンなら、なおさらだろう。特に南野拓実(ASモナコ)や久保建英(レアル・ソシエダ)、鎌田大地(クリスタル・パレス)など、ハイレベルなタレントが揃う2シャドーとの関係構築は攻撃面の生命線だ。小川は「誰が見ても、このチームはシャドーが前向きで、ちょっと人と違ったというか、素晴らしいパフォーマンスができる選手がたくさん揃っている。僕は前線で身体を張ってキープして、そういった選手に前向きでいい形でプレーさせてあげるというのが、本当に大事なことだと思ってる」と語る。