習近平が中国をどんどん縮小させていく…不動産バブル崩壊の後遺症でついに「中国の重要インフラ」が沈み始めた…!
芳しくない銀行の収益性
家計の貯蓄の7割程度が不動産投資に向かったとみられるが、住宅など資産価格下落は鮮明化。不動産市況の悪化から住宅の価値は下落し、雇用・所得環境の先行き不安も高まった。個人や企業は先行きのリスクに備え、債務返済を優先せざるを得ない状況だ。 土地利用権の需要減少で地方政府の財政も悪化した。地方政府の隠れ債務である地方融資平台の債務問題も深刻だ。鉄鋼、太陽光パネル、リチウムイオンバッテリー、エアコン、電気自動車(EV)、建機などの過剰生産能力の膨張にも歯止めがかからない。 その結果、経済全体で資金需要は伸び悩み、商業銀行の純金利マージンは低下した。 2022年1~3月期、純金利マージンは1.97%まで低下した。2023年1~3月期は1.74%に低下し、健全な銀行経営の維持に必要とされる、利ザヤの水準(1.8%)を下回った。さらに2023年10~12月期の純金利マージンは1.69%に低下した。 そして2024年7~9月期、四大国有銀行の一つである中国銀行の純金利マージンは1.41%、前期から0.03ポイントの低下だ。 10月、中国政府は地方政府による住宅在庫の買い取り資金規模を4兆元(80兆円)規模に拡充し、不動産市況の悪化を食い止めようとした。政府は、銀行に買い取り資金の融資を増やすよう指示した。これも銀行の利ザヤ圧縮の要因だろう。 すう勢として中国商業銀行セクターの収益性は低下傾向だ。 つづく記事〈アメリカ大統領選の結果に「中国の銀行」が大慌て…帰ってきたトランプが低迷中国に加える「トドメの一撃」〉では、銀行セクターの低迷が中国経済にもたらす、さらなる悪影響について解説する。
真壁 昭夫(多摩大学特別招聘教授)