【コラム】ミュージカル『SIX』はここがすごい! 来日版&日本キャスト版の見どころを紹介
日本キャスト版のmy裏テーマ
というのが来日版『SIX』に寄せる期待なら、日本キャスト版にはまた別の見どころも感じている。実は筆者、初めて観た時から日本版を勝手に思い描き、5年にわたって“妄想”を膨らませ続けていた。それは、とかく男性俳優たちに注目が集まりがちな日本ミュージカル界にあって、女性俳優もまた百花繚乱であることを示すのに、これほど最適な作品はないと思ったから。歌って踊れて芝居もできる、実力一本でのし上がってきたような“腕に覚えアリ系”ミュージカル女優たちが、ここぞとばかりにその実力を発揮したら、クイーンズの自分賛歌にはさらなるパワーが加わるはず!と確信してやまなかったのだ。 そうは言っても、若手・実力派・女性俳優が主役を張るのは難しい日本ミュージカル界である。知名度の点で分がある、ベテランや映像俳優を中心としたキャスティングをなんとなく予想していた。だが発表されたのは、知名度もあるがそれを実力が上回るソニンを筆頭に、まさに腕に覚えアリ系の12人。構想ならぬ妄想5年、理想的な形で実現するのが本当に喜ばしいし、和製クイーンズが作品の面白さを体現すると同時に実力を見せつけ、観客を圧倒する姿を見届けるのが、日本キャスト版『SIX』における個人的裏テーマである。 文:町田麻子 <公演情報> ミュージカル『SIX』 原作:トビー・マーロウ&ルーシー・モス 演出:ルーシー・モス&ジェイミー・アーミテージ 振付:キャリーアン・イングルーユ 【楽曲リスト】 1. Ex-Wives(全員) 2. No Way(キャサリン・オブ・アラゴン) 3. Don‘t Lose Ur Head(アン・ブーリン) 4. Heart of Stone(ジェーン・シーモア) 5. Haus of Holbein(全員) 6. Get Down(アナ・オブ・クレーヴス) 7. All You Wanna Do(キャサリン・ハワード) 8. I Don‘t Need Your Love(キャサリン・パー) 9. SIX(全員) 10. The MegaSIX(全員) ■来日公演版 原作:トビー・マーロウ&ルーシー・モス 演出:ルーシー・モス&ジェイミー・アーミテージ 振付:キャリーアン・イングルーユ 【配役/キャスト】 キャサリン・オブ・アラゴン:ビリー・カー アン・ブーリン:イナ・トレスヴァレス ジェーン・シーモア:リバティ・ストッター アナ・オブ・クレーヴス:ハンナ・ヴィクトリア キャサリン・ハワード:リジー・エメリー キャサリン・パー:エロイーズ・ロード (オルタネイト) アラゴン/パー:ミリー・ウィローズ ブーリン/シーモア:エリン・サマーヘイズ クレーヴス/ハワード:ローレン・サント=クイン (スーパースウィング) イジー・フォームバイ=ジャクソン 日程:2025年1月8日(水)~1月26日(日) 会場:東京・EX THEATER ROPPONGI ■日本キャスト版 翻訳・訳詞:土器屋利行 演出補:アレクサンドラ・スペンサー・ジョーンズ/西祐子 振付補:フレイヤ・サンズ/飯作絵梨子 音楽スーパーバイザー補:ケイティ・リチャードソン/田中葵 【配役/キャスト】(全役Wキャスト・各役五十音順) キャサリン・オブ・アラゴン:鈴木瑛美子・ソニン(東京のみ) アン・ブーリン:田村芽実(東京・愛知のみ)・皆本麻帆 ジェーン・シーモア:原田真絢・遥海 アナ・オブ・クレーヴス:エリアンナ・菅谷真理恵 キャサリン・ハワード:鈴木愛理・豊原江理佳 キャサリン・パー:和希そら・斎藤瑠希 (バンドメンバー) キーボード:田中葵、ベース:shizupi、ギター:中村芽依、ドラム:山内楽 【東京公演】 2025年1月31日(金)~2月21日(金) 会場:EX THEATER ROPPONGI 【愛知公演】 2025年2月28日(金)~3月2日(日) 会場:御園座 【大阪公演】 2025年3月7日(金)~3月16日(日) 会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ