放置竹林、メンマで解消 富山・上市の企業、県センターと開発 独自乳酸菌加え食用に
●里山保全へ都内で販売 富山県内の放置竹林を有効活用しようと、上市町のティー・ツリー・コミュニケーションズは、県農林水産総合技術センター食品研究所と植物性乳酸菌入りのメンマを共同開発した。生育が進んで廃棄せざるを得なかった「幼竹(ようちく)」に光を当て、食用に加工することに成功。竹林の好循環につながる健康食品として、東京・有楽町の県アンテナ店「いきいき富山館」から首都圏に売り込む。 ティー・ツリー・コミュニケーションズは里山の駅・つるぎの味蔵(上市町)を運営し、「竹取キッチン」のブランドでメンマ商品を扱っている。上市を中心に県内の竹林整備に関わる団体や地域住民と協力し、廃棄予定の長さ1~2メートルの幼竹をメンマとして生まれ変わらせ、竹林の有効活用と保全に生かす。 同社によると、国内で流通するメンマの原材料は中国産の麻竹が主流で、日本に多く生息するモウソウチクの活用が進んでいないのが課題だった。幼竹は一般的に食用として適さないとされ、県食品研究所が発見した植物性乳酸菌「SIY8」を加え、発酵させることで約1年かけて商品化にこぎ着けた。 やわらかい口当たりとやさしい味わいが特徴で、「MENMA+SIY8(メンマプラス)」(税抜き550円)と銘打ち、夏頃から里山の駅・つるぎの味蔵で取り扱いを開始した。女性からの反響が大きく、愛知県などの事業者からも引き合いがある。 食物繊維が豊富な竹と、腸活・免疫調整効果があるとされる植物性乳酸菌を組み合わせた、付加価値を高めた新商品として県外客へのPRにも力を入れる。 4、5日はいきいき富山館にブースが設けられ、同社の茶木勝代表が来館者に商品の魅力を紹介した。茶木代表は「富山の里山が生んだ新たな特産品として全国に発信していきたい」と意気込んだ。