フェラーリF1、スペインで投入したアップデートを諦め、旧仕様に戻して戦うシルバーストン。サインツJr.「高速での安定性が少し増した」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1イギリスGPの予選を終え、今回からマシンのパッケージをエミリア・ロマーニャGP仕様のモノに戻していることについて、高速コーナーでの安定性が増したと語った。 【リザルト】F1イギリスGPスターティンググリッド(暫定版) 今季はオーストラリアGPでサインツJr.が、モナコGPでシャルル・ルクレールが勝利を手にしたフェラーリ。しかしそれ以降は苦戦するレースが続いており、レッドブルだけでなくマクラーレンやメルセデスにも後れをとっている。 その一因は、スペインGPで投入されたアップデートパッケージにあったようだ。このアップデートは一定の効果はあったものの、高速コーナーでバウンシングを誘発。それがラップタイムに影響を及ぼしていたと見られる。 そのためフェラーリは今回、スペインGPで投入したパッケージよりも古いパッケージで走行。ただ予選順位としては振るわず、サインツJr.は7番手、ルクレールに至っては11番手でQ2敗退となった。 「最近高速コースで苦しんでいたことを考えれば、今回のような高速コースの”王様”ともいえるところで厳しいのは、驚きではないね」 サインツJr.はそう語った。 「シルバーストンは、厳しい週末になるだろうと分かっていた」 そんな中で、エミリア・ロマーニャGPで投入したパッケージに戻した効果やいかに? そう尋ねると、サインツJr.は次のように語った。 「パフォーマンスが向上したわけではなく、高速での安定性が少し向上しただけだ」 そうサインツJr.は語る。 「フロアでのバウンシングが少し減り、高速でマシンをできるだけ安定させ、予測可能にする必要があるんだ」 「前進しているわけではない。後退しているわけではないことは分かっているけど、マシンを少し安定させたというだけだ」 ルクレールも、パッケージを旧仕様に戻したことにより、バウンシングが落ち着いたと語る。そして今回の検証結果を受け、今後の方針を決断すると説明する。 「バウンシングは少し良くなったよ。それが、古いパッケージに戻した主な理由だからね」 そうルクレールは言う。 「あまり詳しくは言わないけど、モナコ以降パフォーマンスが少し落ちたのは確かだ。僕らはそれを調べている。今回のようなテストを行なっているのも、それが理由なんだ」 「今週末、パッケージを戻すのは正しい選択だという結論に達した。バウンシングがあったからね。僕らは近いうちに、将来に向けて正しい決断を下すだろう。今回のことは、今後正しい決断を下すのにとても役立った」
田中 健一, Filip Cleeren