「県警職員の犯罪を本部長が隠ぺいしたことが許せなかった」情報漏えい容疑で逮捕の元県警幹部がトップを告発 背景に県警への失望か
2024年4月、5月の2カ月で、鹿児島県では、前生活安全部長が逮捕された事件を含めて、現職警察官3人と元幹部1人が逮捕された。このうち、5月31日に、内部資料漏えいの疑いで逮捕された鹿児島県警本部の前生活安全部長が、「県警職員が行った犯罪行為を、本部長が隠ぺいしようとしたことが許せなかった」と証言し、一連の事件は、異例の展開となっている。 【画像】鹿児島県警のトップを告発した本田容疑者の裁判所での様子
"現職警察官の不祥事"が情報漏えい
警察の内部資料を、第三者に漏らした疑いで逮捕された鹿児島県警本部の前生活安全部長・本田尚志容疑者(60)は6月5日、鹿児島簡易裁判所での勾留理由開示請求で、「流出させた情報は、現職警察官の不祥事をまとめた資料だった」と明らかにした。 資料には、霧島警察署の警察官が市民にストーカー行為を行ったことや、枕崎警察署の32歳の巡査部長が、捜査車両を使って盗撮行為を繰り返していたことについて書かれていて、本田容疑者は「野川県警本部長が『最後のチャンスをやろう』『泳がせよう』と言ってその隠ぺいを図った」と訴えている。 翌6日朝、鹿児島市にある野川本部長の官舎には、大勢の報道陣が詰めかけた。しかし、野川本部長は、記者の「事件を隠ぺいしたというのは本当ですか?」「県民に説明してください!」との問いかけに応じず、無言を貫いた。 開会中の県議会の移動の最中も、報道陣に一言も言葉を発しなかった。
本部長 否定も肯定もせず立ち去る
元幹部が県警のトップを告発するという異例の展開。野川本部長が、ようやく県警本部のロビーで報道陣の取材に応じたのは、6日午後5時半だった。 本田容疑者の訴えについて聞かれた野川本部長は、「主張がなされていることについては承知しているが、事件捜査の中で必要な確認を行っていく」と、本田容疑者の訴えを否定も肯定もせず、わずか数分で立ち去った。 県警の中枢を担った元県警幹部が逮捕された今回の事件。 これまでの警察の説明と、本田容疑者が法廷で語った意見陳述はどのように異なっているのか。