「ラーメンに酢を入れる」美味しいだけじゃない?意外な効果は|管理栄養士が解説
ラーメン通の方のなかには「ラーメンに酢を足すとスープが引き立つ」という説があり、実際にラーメン専門店においてやご家庭のインスタントラーメンなどに酢を「ちょい足し」された経験がある方もいるのではないでしょうか。実は酢を摂ることで期待できる健康効果がたくさんあります。ラーメンが好きで健康ケアも意識したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。 〈写真〉「ラーメンに酢を入れる」美味しいだけじゃない?意外な効果は ■ラーメン×酢で得られる効果①疲労回復効果 酢に含まれる有機酸のクエン酸には、疲労回復効果があるといわれています。ラーメンの糖質とあわせて酢を摂取することで、エネルギー代謝が促進され、疲労物質である乳酸の効率よい分解が期待できます。また、ラーメンに酢をプラスすることでスッキリと食べやすくなることから、お疲れ気味の方は小さじ1杯程度の「ちょい足し」から始めてみましょう。 ■②血圧の上昇を抑える作用 酢には酢酸も含まれています。酢酸は血圧の上昇を抑える効果があるといわれています。酢の継続的な摂取により効果を発揮することから、ラーメンのみならず、普段からビネガードリンクを楽しむのもおすすめです。ただし酢の摂り過ぎは胃腸の負担となることから、1日あたり大さじ1程度にしておくのがよいでしょう。 ■③体脂肪の合成を抑える効果 酢酸には、体内での脂肪の合成を抑制し、肥満を防止する効果も期待できます。ただし、チャーシューや背油がたっぷりのラーメンを食べた場合、それらに含まれる脂質全てを酢がコントロールできるわけではありません。おいしくラーメンを食べた後は、野菜たっぷりの食事を心がけるようにしましょう。またご家庭でラーメンを食べる際は、野菜を煮込んだタンメンにすれば、酢との相性がよく、おいしく召し上がれます。 ■まとめ 本記事では、ラーメンに酢をプラスすることで期待できる健康効果を紹介しました。もちろんラーメンに酢を足すのみで健康になれるわけではないため、ラーメンを食べる前後の食事を調整し、栄養バランスが良くなるように心がけていきましょう。 〈参考文献〉 ・高橋書店 吉田企世子、松田早苗|正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学 ・日本栄養・食糧学会誌第67巻第4号171-176(2014)山下弘美|酢酸の生理機能性 ・文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂) ライター/栗城智子(管理栄養士)
栗城智子