MLBに衝撃! カージナルスがアストロズをサイバー攻撃か
MLBがFBI捜査の対象となった。米国時間の16日正午前(日本時間17日未明)、ニューヨークタイムズ紙の電子版がスクープ記事をネット公開、ショッキングでスキャンダラスなニュースが全米を駆け巡った。 ワシントンが発信元となる同記事によると、FBIと司法検察官が大リーグの老舗球団、セントルイス・カージナルスがライバル球団の情報をハッキングした疑いで捜査しているという。カージナルズの管理職が、ヒューストン・アストロズが立ち上げたトレード情報、私有する統計データ、スカウティングリポートなどを網羅する球団のデータベースに不正侵入。プロスポーツ界で他チームからの“サイバー攻撃”事件は史上初と報じている。 15日終了時点で42勝21敗と2位以下に6ゲーム差をつけてナショナルリーグ中地区を独走するカージナルズは、2000年以来リーグ王座決定戦に9度出場。2011年にはヤンキースに次ぐメジャー2番目に多い11度目のワールドシリーズ制覇を果たした実力&伝統を誇る名門チームがなぜ、2011年以降はリーグも別になったアストロズのデータを盗もうとしていたのか。 記事によると、その背景にあるのは、両球団間におけるフロントの転職だ。1994年から2011年までカージナルズで主にスカウトと育成を担当するフロント幹部で活躍、カ軍のデータベース通称「レッドバード」を立ち上げたジェフ・ローナウ氏が、2011年オフにアストロズのGM職に引き抜かれて、新天地のア軍に同様のデータベース「グラウンド・コントロール」を設立した。 チームの統計データや情報、スカウトの調査だけでなく、内科医や外科医、コーチによる選手調査などもあると言われ、その成果か、今季ア軍は同日時点で37勝28敗、アリーグ西地区の1位にいる。カージナルズはローナウ氏在職時代のパスワードなどを数々試して、データ侵入に成功したのではないかと同記事は指摘している。今回の“事件”は、アストロズ側が何者かによるデータのハッキングを大リーグ機構に相談。コミッショナーから捜査を依頼されたFBIが経路を辿ったところ、カージナルズ職員の元自宅からアクセスされたことが発覚し、今回の本格捜査に発展した。