自転車ぐるり「狐一巡り」 山形市と山辺町にまたがる街道、モデルルートめざす
山形、山辺の両市町にまたがる「狐一巡(きつねひとめぐ)り街道」の沿線地域で、県自転車ネットワーク計画に設定されているサイクリングモデルルートへの追加を目指す動きが活発化している。自転車で観光スポットを巡る「サイクルツーリズム」を地域振興に役立てようと、住民有志らでつくる自転車活用推進協議会が発足。関係者は「持続可能な地域の構築へ力強くこぎ出したい」と意気込んでいる。 白鷹丘陵を走る狐一巡り街道は、ともに県道の山形白鷹、山形山辺両線を通る観光ルート。山形白鷹線が江戸時代に狐越(きつねごえ)街道と呼ばれていたことにちなみ、故日原もとこ東北芸術工科大名誉教授が命名した。 一帯には県民の森や大蕨の棚田、玉虫沼などの観光資源が点在する。サイクリストに一定の知名度があることから、自転車による観光振興に焦点を絞り、「やまがた●やまのべ狐一巡り街道観光協会」を母体に新たな団体を設立した。 同市の西山形コミュニティセンターで今月開かれた設立総会には、両市町の観光関係者や住民、議会議員ら計約40人が出席。会長に就いた広谷五郎左エ門さん(73)=同市村木沢=は席上、「誰もたどり着いたことのない頂上を目指して一丸となって取り組みたい」と力を込めた。両県道が接続する国道458号を経由する約40キロをモデルルートとし、愛称は「きつね一巡りサイクリングロード」とすることなどを決めた。
県自転車ネットワーク計画のモデルルートは、最上川に沿って県内を縦断するコースを基幹ルートに、そこから周辺の観光地を結ぶ地域ルートの計18で構成されている。同協議会は来年1月に県への要望を行う。 ※●はハート