どこでなくしたか分からない”忘れ物”AI=人工知能が探し出す時代に「もう紙ではやりたくない」ほど負担が減った商業施設
RKB毎日放送
博多駅の商業施設が、AI=人工知能を活用した新しい管理システムを導入しました。どう、変わったのでしょうか。 【写真で見る】博多駅の商業施設で忘れ物をAIが管理し探し出す新システム ■傘・イヤホン次々に届く忘れ物 RKB 下濱美有記者「多くの人が行き交うマイング。月に300件ほどの忘れ物があるといいます。その忘れ物をAIが探してくれるようになりました」 九州のあらゆるお土産を取り扱う博多駅の「マイング」。美味しそうなお土産ばかりに気が取られ、うっかり物を落としたり忘れたりしたことがあるという人もいるかもしれません。 取材したのは午後1時。保安室には、すでに傘やイヤホンなど7件の忘れ物が届けられていました。 「忘れ物ですー」 取材中も続々と届く忘れ物。中にはクレジットカードも・・・ ■写真撮影→AIが特徴を解析 受け取った警備員はなにやらスマホを向けます。 「表、裏。タグのところ、サイズとかどこのこれコリアって書いているので韓国製とか」 こちらの商業施設が8月に導入したのが、AI=人工知能を活用した管理システム。 忘れ物の写真を何枚か撮影するとブランドや色、特徴などをAIが解析し、その情報がアプリ上に登録されます。 問い合わせを受けた警備員が「ハンカチ」「チェック」などといったキーワードを入力して検索すれば、登録情報から候補を瞬時に出してくれる優れものです。 ■「もう紙ではやりたくない」業務も大幅に削減 紙に情報を書き込み、大量のファイルから物を探していたこれまでと比べて、施設側の業務は大幅に削減されたということです。 警備員「これまでは紙ベースで特徴を捉えたり、細かい情報を台帳に載せていました。紙でできないことはないですけれどやりたくないですね」 ■どこでなくしたか分からなくても・・・ この新しいシステムは、忘れ物や落とし物をした人にとっても便利になりました。 無料通信アプリ=LINEで問い合わせることができ、特徴を入力すると・・・ 施設が登録した情報からAIが画像検索し、探し出してくれます。 さらに、この管理システムは博多駅にある複数の商業施設の間で情報共有されているため、どの施設でなくしたのか分からないといったケースでも1つの施設にLINEで問い合わせれば連携している施設の全ての情報から探し出すことができます。
■写真を撮ればすべての情報が得られる 導入から1か月、施設への電話とメールでの問い合わせは半数ほどに減ったそうです。 博多ステーションビル 石堂拓也課長「これまでは一番はお時間をとらせてしまう。電話で問い合わせがあって待っていただいて現物、台帳確認して限りなく近いものがあれば似たようなものがありますとご案内させていただいていました。写真を撮ればすべての情報が得られる。事務処理が大分軽くなったなと思います」 なくした人の不安やストレスと探す人の業務負担、双方を軽減してくれる新しいシステム、今後、返却率のアップにつながればと期待されています。
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