法的拘束力はある? 私有地の駐車禁止の標識
多くのライダーが難航する、バイクの駐輪場探し
バイクの駐輪場はクルマの駐車場に比べると圧倒的に数が少ないことから、駐輪場探しに苦戦しがちです。そもそもバイクの駐輪場数が少ない要因は、2006年に道路交通法が改正される前まで、バイクは路上駐車や歩道に駐車していても、あまり咎められなかったことにあると言われています。 【画像】私有地に設置された駐車禁止看板を画像で見る(10枚) そのため、ほとんどの施設にバイク駐輪場が設置されていないという状況の中、路上駐車されたバイクに対して厳しく取り締まりがおこなわれ始めました。 するとバイクを私有地へ無断駐車する台数が増え、これが「バイクの駐輪場問題」としてニュースなどで取り上げられています。 こういったことから、私有地には「無断駐車禁止」などの標識や貼り紙をするなどの対策が必要となりましたが、私有地の駐車禁止の標識などには法的拘束力はあるのでしょうか。
まず道路や歩道上での駐車違反行為をした場合、違反行為に対しての処罰などを定めたルールが「道路交通法」。 しかし、私有地は道路や歩道ではないことから道路交通法の管轄外となるため、道路交通法と同様の処罰が下されることはありません。したがって、私有地の駐車禁止の標識や張り紙などは、法的拘束力はないということになります。 もし自身の土地にバイクなどが無断駐車されていた場合、勝手にバイクを触るなどして別の場所へ移動させたり、移動させたことにより、万が一バイクに傷を付けてしまうとバイクの所有者から器物損壊として扱われ、損害賠償を求められる可能性も否めません。 また、法的手続きを行わずに勝手に無断駐車されたバイクをレッカーで移動させたり、移動できないようタイヤをロックしたりすることも認められていないため、私有地の所有者は注意喚起をおこなったり、無断駐車されないような設備を導入するしかありません。
こうして見ると、無断駐車をした側が優位な立場にあるように思えます。しかし、私有地の所有者が無断駐車されたバイクに安易に手出しできないからといって、無断駐車をすることは決して認められていません。 なぜなら、私有地への迷惑行為である為。たとえば、駐車をおこなう場所がマンションやアパートなどの共有スペースであっても、駐輪場以外の場所に停めることや駐車を許可されていないバイクの駐車は、私有地の所有者だけでなく他のマンションの住人にも迷惑をかけることになります。 そのためライダーには、ほんの一時的な駐車であったとしても私有地の所有者に駐車の許可を取るか、または停めても問題のない場所やバイク用コインパーキングなどを探すといった、モラルやマナーを守った行動をとることが求められます。