本木雅弘さんやKōki,さん出演の映画ロケで使用 古民家民泊施設 誘客に期待 アイスランド人監督の「TOUCH/タッチ」
広島市安佐北区可部の民泊施設「栄(さかえ)」が、俳優本木雅弘さんやKōki,(コウキ)さん出演の映画に趣を添えている。築70年を超す古民家にアイスランド人の監督が一目ぼれし、玄関や庭が撮影の舞台に。11月の広島国際映画祭で国内初上映された。2025年1月24日から全国公開となり、地元で誘客への期待が膨らむ。 主人公が歩くシーンが撮影された廊下 バルタザール・コルマウクル監督の新作「TOUCH/タッチ」。アイスランドで食堂を営む主人公の老夫が50年前にロンドンで出会った昔の恋人を捜しに広島へ向かうストーリー。コウキさんが昔の恋人役、本木さんがその父親役として被爆した親子を演じる。 栄でのロケは23年1月末。広島を訪れた老夫の宿の設定で、庭先で物思いにふける場面などが撮影された。総勢約70人のスタッフが訪れ、コウキさんが刺しゅうをする未公開シーンも撮ったという。 木造2階建ての栄は、加藤豊さん(81)、集子(あいこ)さん(77)夫妻=安佐南区=が営む。集子さんの実家で、約60年前に中区で材木商をしていた親戚の家を移築した。旅好きな夫妻が国際交流につなげようと19年春に民泊施設としてオープン。1棟(5部屋)貸しで3分の2が外国人観光客という。 床や柱に無垢(むく)材をふんだんに使い、木々や石灯籠を配した庭は緑が映える。誘致を担った広島フィルム・コミッション(中区)の西崎智子さん(58)は「落ち着いた和の雰囲気が監督のイメージに合致し、下見では即OKが出た」と振り返る。ロケは中区や竹原市、呉市でもあった。 映画祭で作品を鑑賞した集子さんは「両親が大事にしていた家が美しく映像化され、うれしい」。豊さんは「ここを拠点にたくさんの人に可部の街を巡ってほしい」と願う。地元の可部公民館では25年1月10日から区総合福祉センター1階ロビーで映画のパネル展を企画している。
中国新聞社