任期末に繰り返される韓国政界ナンバー1・2の衝突、尹錫悦政権では任期半ばで勃発
李明博政権でも、親李系が2008年の総選挙で親朴系の出馬を大挙認めず、李明博大統領が2009年に世宗市移転案の修正を推進し、「原案通り推進」を主張した朴槿恵(パク・クンヘ)議員と衝突した。ただ、両氏は2011年6月に単独会談を行い、「親李・親朴はなくそう」と妥協した。その後、李明博大統領は朴槿恵議員を大統領選候補と認め、朴槿恵議員も李明博大統領と差別化するような主張は慎んだ。結局、朴槿恵議員は2012年に大統領に当選し、政権獲得に成功した。 しかし、朴槿恵大統領は在任中、与党代表の金武星(キム・ムソン)元国会議員との関係がぎくしゃくした。2人は数回にわたって単独会談したが、これといった成果が得られず、2016年の総選挙では公認問題で衝突し、波紋を呼んだ。この総選挙で与党セヌリ党は第1党の座を民主党に譲り、その後も朴槿恵大統領と金武星氏の勢力は互いに反目し、結局朴槿恵大統領弾劾という事態に直面した。文在寅(ムン・ジェイン)政権でも大統領と李在明(イ・ジェミョン)現民主党代表の関係はスムーズではなかった。李在明代表が2021年に民主党の大統領候補になって以降も、災害支援金支給問題と不動産政策を巡り、文在寅大統領と対立した。 与党からは国政の推進力を確保するため、尹錫悦大統領が強力な刷新に乗り出すべきだという声が根強い。ただ、任期の半分を残した大統領の支持率が10%台後半(韓国ギャラップなど調査)と低迷する状態で、韓東勲代表が大統領を徹底して批判すれば、与党全体が崩壊しかねないとの危機感も感じられる。コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表は「過去に新旧権力の差別化が政権維持につながったケースを見ると、大統領任期が残り1年ほどの時点で、大統領がナンバー2に政治的な活動空間を与えるという条件が満たされた場合だった。現時点での大統領と与党代表が公然と衝突することは、与党全体にマイナスになり得る」と述べた。国民の力関係者は「韓代表が解決策に言及しているが、今は噴出する対立を管理しながら、状況変化に導く政治力を発揮すべき時だ」と話した。 朴秀纘(パク・スチャン)記者、イ・セヨン記者