水道水が硬水の国では、水を買って飲むこともあるようです。日本の水道水は安全といわれているにもかかわらず、なぜ飲料水を購入するのでしょうか?
近年では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで、当たり前のように飲料水が販売されています。 日本の水道水は衛生管理がしっかりしており、飲料水としても問題ないと言われていますが、なぜあえて水を購入するか気になる人もいるでしょう。 今回は、高い水質基準を満たした水道水があるにもかかわらず飲料水を購入する理由や、水道水をおいしく飲む方法などについて解説します。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
ハイレベルな基準を満たす日本の水道水
日本の水道水は水道法第4条により、51項目の水質基準が定められています。水質管理基準以外にも、水質管理上留意すべき「水質管理目標設定項目」、毒性評価の定まらない物質、水道水中で検出実態が明らかではない「要検討項目」を定め、厳しく管理しています。 また、水道を管理する地方自治体の中には、高い安全性を目指し、さらに厳しい基準を設けている自治体もあるようです。 国土交通省によると、蛇口をひねるだけで水道の水をそのまま飲める国は、日本を含め11か国とされており、安全な水の供給を得られる日本は、非常に恵まれているといえるでしょう。
水道水が苦手な理由
水道水が苦手だと感じる人の理由として、次のようなことが考えられます。 ●味が好きではない ●カルキ臭が苦手 ●水温が高く飲みづらいと感じる ●貯水槽が原因で水質が変化している マンションのような集合住宅では貯水槽を通して各戸へ水道水を供給しています。貯水槽は施設管理者の責任であり、定期的に清掃しなければなりません。衛生管理が十分でないと、水質が変化するおそれがあります。 いずれにしても、水道水が飲めないことを悩んでいる人もいるため、次はどのようにすれば水道水をおいしく飲めるようになるのか考えてみましょう。
水道水をおいしく飲む方法
水道水を飲みやすくするために、浄水器をセットしている家庭もあるでしょう。浄水器を通すことで、塩素臭さがなくなり飲みやすくなります。 浄水器のほかにも、次のようなあまりお金をかけずに飲みやすくする方法もあるため、気になる方法を試してみましょう。 ■一度沸騰させる 一度沸騰させることで、塩素臭やトリハロメタンを除去する効果が期待できます。 トリハロメタンとは、水道水に加える塩素によって生成される「消毒副生成物」と呼ばれるものです。詳しくは分かっていないものの、発がん性のおそれがあるといわれています。 水道水のトリハロメタンは、基準値以下ではあるものの、しばらく沸騰させることでさらに減らすことができます。沸騰してからふたを取り、さらに3分以上沸騰させるようにしましょう。 ■20度以下に冷やす 水道水を冷たく冷やすだけで、塩素のにおいが気にならなくなることがあります。体温よりも20度~25度低い水が、最もおいしく感じやすいと言われており、冷蔵庫でしばらく冷やしたり、氷を入れたりして20度以下に冷やして飲んでみましょう。 ただし、あまり冷やしすぎると胃腸に負担がかかることもあるため注意してください。 ■レモン汁を入れる 塩素のにおいをおさえたい場合は、レモン汁を入れるとよいでしょう。ビタミンCの力で残留塩素を分解し、においをおさえられると言われています。 また、レモン汁を入れることでさっぱりとした味わいになり、飲みやすくなる効果も期待できます。酸味が苦手な人は、少量から試してみましょう。 ■備長炭を入れる 水の中に備長炭を入れることで、浄水効果が得られることがあります。 備長炭には大小無数の穴が開いており、この穴がフィルターとなって塩素や不純物を吸着するようです。カルキ臭が減り、まろやかな舌触りになる効果が期待できます。 さらに、備長炭に含まれているカリウムやマグネシウムが溶け出すことで弱アルカリ性の水に変化するようです。弱アルカリ性の水は腸内環境を整え、美肌効果もあるとされているため、身体の調子を整えたいときにも適しているでしょう。 飲料水用の備長炭も販売されているため、試してみてください。