センバツ高校野球 東北3校、春切符届く(その2止) 八戸光星、5年ぶり/青森山田、8年ぶり /岩手
◇八戸学院光星 高い投手力を中心に 八戸学院光星の選手たちは、青森県八戸市の校舎内で選抜選考委員会のオンライン中継を視聴し、出場が決まると拍手で喜んだ。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち この後、中庭に集合した選手たちを前に、中村良寛校長が「おめでとう」と祝福。「東日本大震災の直後にあった2011年のセンバツでは、被災地からの出場ということで多くの応援をいただいた。今度は皆さんの番。能登半島地震で被災した人々に、元気・勇気・感動を与えられるプレーを」と選手を激励した。 選考委員会では、昨夏の甲子園8強の原動力ともなった、洗平比呂(2年)、岡本琉奨(同)の両左腕を軸に高い投手力が評価された。仲井宗基監督は「出場が決まり、改めて幸せを感じている。選手の力、可能性を信じて、じっくり調整して臨む」と話した。 センバツは過去10回出場し、通算8勝10敗。仲井監督は「例年は打力が前面に出るが、このチームは投手力が中心で、機動力を使える選手もそろっている。リニューアルした光星野球ができると思う。まずは、春の負け越しを取り返したい」と抱負。砂子田陽士主将(同)は「この冬は、打線に磨きをかけたい。明るく一生懸命な全力プレーをする」と力強く語った。【藤倉聡子】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇センバツまでの軌跡 <青森県大会> 2回戦 ○11-1 青森明の星 3回戦 ○11-0 大湊 準々決勝 ○10-0 八戸聖ウルスラ学院 準決勝 ○8-0 弘前南 決勝 ●4-7 青森山田 <東北大会> 2回戦 ○5-2 仙台一 準々決勝 ○8―1 日大山形 準決勝 ○1-0 学法石川 決勝 ●0-3 青森山田 ……………………………………………………………………………………………………… ◇学校プロフィル 1956年に創立された男女共学の私立校で、カトリック精神に基づいた道徳教育を実践する。校訓は「正義・賢明・剛毅」。2013年に校名を「光星学院」から「八戸学院光星」に変更した。現在は普通科と保育福祉科があり、進学や就職に有利な資格取得のためのカリキュラムにも重点を置いている。 野球部は学校創立と同年に創部し、夏の全国選手権は12回出場。11年夏、12年春夏の甲子園では、3季連続で準優勝を果たした。卒業生に坂本勇人内野手(巨人)、田村龍弘捕手(ロッテ)、北條史也内野手(阪神-三菱重工West)ら。 他の部活動も盛んで、バスケットボール部、陸上競走部、レスリング部などが強豪として知られている。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇青森山田 サッカー部Vに続け 青森山田の部員ら56人は青森市内の同校会議室で、選考委のライブ中継の様子を固唾(かたず)をのんで見守った。校名が読み上げられると室内には拍手が響き渡り、部員たちは選考理由の説明を聞きながら何度もうなずいて喜びをかみしめた。 花田惇校長は「東北が3枠になったが今日発表になるまでは不安もあった。同じ屋根の下で頑張っているサッカー部が全国大会優勝しているのでぜひとも頑張ってほしい」と笑顔で喜びを語った。 選手たちは決定の瞬間こそ落ち着いていたが、橋場公祐主将(2年)は、「当確とは言われていたが、発表されてすごくほっとした。甲子園は何があるかわからない球場。全国で勝つ難しさは神宮大会で感じたが、守備からリズムを作って攻撃につなげて、やるからには優勝を狙いたい」と健闘を誓った。 兜森崇朗監督は「選手の頑張りが評価され大きな誇りと喜びを感じる。まずは初戦突破に全力で挑む。青森からダブル出場ということで、東北大会決勝で当たったようにぜひセンバツの大舞台でもお互い勝ち進んで試合したい。雪のない地域に負けない熱い練習を積み重ねて準備し、大会に臨みたい」と意気込みを語った。【江沢雄志】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇センバツまでの軌跡 <青森県大会> 2回戦 ○14―2 八戸工 3回戦 ○8―1 弘前東 準々決勝 ○8―3 八戸工大一 準決勝 ○3―1 弘前学院聖愛 決勝 ○7―4 八戸学院光星 <東北大会> 2回戦 ○9―8 羽黒 準々決勝 ○5―1 鶴岡東 準決勝 ○4―0 一関学院 決勝 ○3―0 八戸学院光星 <明治神宮大会> 準々決勝 ●2―3 星稜(石川) ……………………………………………………………………………………………………… ◇学校プロフィル 1918年に裁縫塾として創立、1962年に青森山田学園に改称した。男女共学の私立校で、「自らの力で未来を切り拓く個性豊かなグローバルリーダーを育成する」ことなどを教育目標に掲げる。現在は普通▽ITビジネス▽調理の3科がある。 野球部は1954年に創部し、これまでに春2回、夏11回の甲子園出場を果たしている。最高成績は99年夏のベスト8。OBには木浪聖也内野手(阪神)、三森大貴内野手(ソフトバンク)らがいる。 野球部のほか、駅伝、サッカー、バドミントン、ラグビーなどの各部が全国レベルで活動している。生徒数1055人(男子736人、女子319人)。花田惇(あつし)校長。