新星アコスタは、”MotoGPのフェルスタッペン”になるか。シーズン途中のKTM昇格はある?
2016年のF1シーズンは、ダニール・クビアトとダニエル・リカルドがレッドブルのメインチームでドライブし、レッドブルと直接契約しているマックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツJr.が姉妹チームであるトロロッソ(現RB)のシートふたつを占める形で幕を開けた。 【動画】MotoGP2024 第3戦アメリカズGPハイライト しかし第5戦スペインGPを前に、レッドブルは大胆なドライバー入れ替えに踏み切り、クビアトと交代でフェルスタッペンをレッドブルに昇格させた。 この突然の交代劇は一部から批判を浴びたが、フェルスタッペンがメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの同士討ちに乗じてレッドブルでの初レースでセンセーショナルな勝利を収めたことで、レッドブルの決断は正当化された。 こうした歴史が、MotoGPで再現されることはあるのだろうか? レッドブルが支援するKTMが今年のMotoGPで直面する状況をF1と照らし合わせることはできるだろう。 レッドブルと同じように、KTMもまたGASGAS・テック3というセカンダリーチームで期待の新星ペドロ・アコスタを育てている。そして8年前のF1と同様、彼のために他のライダーを降格させることは、KTMファミリーの内外から反発を招くだろう。 KTMのファクトリーチームは今年、ブラッド・ビンダーとジャック・ミラーという、共にMotoGP優勝経験のあるライダーを起用。GASGASでは若手のアウグスト・フェルナンデスがアコスタと組んでいる。 しかしシーズン開幕からわずか3戦で、ルーキーのアコスタのパフォーマンスはすでに、バレンティーノ・ロッシ、マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ、ケーシー・ストーナーといったレジェンドライダーと比較されるようになっている。彼らも、最高峰クラスでのキャリアをスタートさせた当初から急成長を遂げたライダーたちだ。 アコスタはデビュー戦のカタールで9位入賞を果たすと、2戦目のポルトガルで3位表彰台を獲得。今月初めのアメリカGPでは、優勝したアプリリアのマーベリック・ビニャーレスに敗れて2位。スプリント・レースでも8位、7位、4位を獲得している。 3回のスプリントを含む6回のレースで、ビンダーを4回、ミラーを5回上回っているのだ。総合成績では、ビンダーに5ポイント差、ミラーに32ポイント差をつけてランキング4番手につけている。すでにKTM陣営のトップライダーとなっているのだ。