レバノンで爆発したポケベル、製造元住所はハンガリーの小さな郵便局
18日もトランシーバーなどの機器が新たに爆発したと伝えられ、史上最大規模の暗殺を狙ったとみられる事件の衝撃はいっそう増した。ヒズボラメンバーの何人が死傷し、その安全がどのように損なわれたかについて、今のところ発表はない。ヒズボラに加え、この爆発で駐レバノン大使が負傷したイランも報復の意向を表明しており、戦争拡大への不安が強まっている。
イスラエルの元国家安全保障会議メンバー、オルナ・ミズラヒ氏は「主に2つの疑問がある。イスラエルの意図は何だったのか、ヒズボラはどうするつもりなのか、ということだ」と指摘した。
イスラエルのガラント国防相は18日、イスラム武装組織との戦いが「新たな段階」に入ったと述べ、「重力の中心は北に移りつつある」との認識を示した。パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦いからヒズボラによる脅威にイスラエルの対応が移るなら、戦争拡大が懸念される。ただ、今のところイスラエル軍がヒズボラに大規模な攻撃を仕掛ける兆しはないと、当局者らは語った。
イスラエルの退役大将で国内治安機関シャバクの元長官であるアミ・アヤロン氏は「これは抑止行為だった可能性がある。ヒズボラの戦闘能力を物理的に大きく損なわせ、対立を継続することについて考え直させる目的だ」と述べた。
それがうまく働いたかは定かではない。アナリストの多くは、計画にしばらく時間がかかるとしてもヒズボラは報復を狙うだろうとみている。18日にイスラエル軍は警戒態勢を強めたが、学校は通常通り開かれ、市民への統制に変化はなかった。
ネタニヤフ首相は安全保障上の分析を続けているが、引き続き国連総会に出席するため来週ニューヨークに向かうことを予定している。
米国と欧州の当局者は、大胆な作戦に対する称賛と戦争拡大に対する警戒感とが入り交じった反応を示している。米軍当局者は、イスラエルの17日の行動はヒズボラに衝撃を与えることで戦争のリスクを低下させた可能性もあるが、大規模な報復を招く恐れもあると指摘した。