その名はモモタロウ! トヨタ「ピンククラウン」は600万円、この奇抜な挑戦は大成功したのか?【今日は何の日?7月26日】
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日7月26日は、トヨタの14代目クラウンにピンクボディの「ピンククラウン」が発表された日だ。若返りを狙った斬新なデザインの14代目に、さらに“モモタロウ“と名付けられたカラーのピンクボディは、多くの人を驚かせた。9月の1ヶ月間の限定販売で約650台の受注があった。 TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・clicccar ■若返りを狙った14代目にピンククラウンが登場 トヨタ・ピンククラウンの詳しい記事を見る 2013(平成25)年7月26日、トヨタは14代目クラウンにピンクボディの特別仕様車を9月1日から30日までの1ヶ月間、期間限定で受注することを発表。誕生以来日本を代表する正統派高級車として君臨するクラウンに、鮮やかなピンクを纏ったクラウンが登場するとは、マジか!と多くの人を驚かせた。 ●これまでにない斬新なデザインで登場した14代目 1955年に誕生したクラウンは、日本を代表する正統派高級車として進化し続け、2012年12月に14代目を迎えた。キーワードは“新たな革新への挑戦”で、グレード構成は正統派の「ロイヤル」、スポーティな「アスリート」の2つに整理された。 最大の特徴は、若返りを狙った斬新なデザインである。伝統の重厚さに加えてアグレッシブさを取り入れ、保守的なロイヤルでさえ巨大なフロントグリルとバンパーまで達しているメッキモールが装着され、アスリートではボンネットからフロントバンパー下端まで稲妻のようなフロントグリルが採用され、“稲妻クラウン”と呼ばれた。 パワートレインは、3.0L V6を廃止し、2.5L V6 DOHCとアスリート専用の3.5L V6 DOHCと2.5L直4 DOHCハイブリッドに整理され、ハイブリッドは従来の14.0km/Lから23.2km/L(JC08モード)に燃費を改善しつつ3.5リッタークラスの走りを実現した。 斬新なデザインの14代目クラウンは、発売と同時に月間販売台数トップ10に入り、2013年3月には月販1万台を超えるヒットモデルになった。 ●鮮やかなピンクのクラウンを追加 14代目クラウンが驚かせたのは、デザインだけではない。2013年のこの日、トヨタは“モモタロウ“と名付けたピンクのボディカラーのクラウンを、9月の1ヶ月間限定で受注することを発表したのだ。 長い歴史を持つ本格派高級車クラウンは、これまで高級車らしい落ち着いたボディカラーが当たり前、衝撃的なピンクのクラウンの登場は、トヨタにとって大きな挑戦だった。またインテリアも、ホワイトを基調にして、ピンクのステッチやピンクの差し色を施した主冠マークなど、随所にピンクをアクセントにしていた。 モモタロウピンクの特別仕様車は、2WDの「アスリートG“ReBORN PINK”」(価格:600万円)と4WDの「アスリートG i-Four“ReBORN PINK”」(価格:570万円)の2モデルで、それぞれのベースモデルからピンクボディにすることで57万円価格が上昇した。 クラウンには似合わない、いったいどんな人が乗るのか…といった意見も聞かれたが、結局1ヶ月で約650台の受注があった。 ●ピンクにとどまらず空色や若草色ボディなど多彩なカラーが登場 衝撃的なボディカラーはピンクだけにとどまらず、さらに2015年には“クラウン誕生60周年”を記念して、「空色エディション」と「若草色エディション」の2つのボディカラーが登場。また同年のマイナーチェンジでは、「ジャパンカラーセレクションパッケージ」として日本らしいボディカラーが追加された。 具体的には、「茜(アカネ)色」、「胡桃(クルミ)色」、「常盤(トキワ)色」、「群青(グンジョウ)色」など12色で、セットオプションとして白と黒、こがねという3種類の内装色をラインナップし、まさに色とりどりのカラーリングが楽しめる14代目だった。 ・・・・・・・ 多くの人が、空色や若草色ならいいけど、ピンクはチョットと…思ったのではないだろうか。購入した勇気ある人は、30代と40代の若いユーザーが40%、女性が35%だったそうで、これまでクラウンに興味がなかった人を振り向かせたという意味では、ピンククラウンは成功したのかもしれない。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純
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