「ランピースキン病」蚊が媒介 国内初確認から1カ月発生は福岡・熊本のみ 対策一定効果か
11月6日、福岡県で国内初の発生が確認された牛の伝染病「ランピースキン病」。感染拡大が懸念されていますが12月9日現在、発生は福岡県と熊本県の2県にとどまっており、農林水産省では引き続き媒介する害虫の駆除など、感染防止策の徹底を農家に呼びかけています。 【画像】ランピースキン病に感染した牛 人への影響は? ■ランピースキン病とは 「ランピースキン病」は「ランピースキン病ウイルス」によって引き起こされる牛の病気です。農林水産省は「本病は牛の病気であり、人に感染することはない」としています。 主にアフリカで広がっていた病気でしたが、中近東の国々に波及し、2015年にはトルコを経由し、東南ヨーロッパ、そしてアジアへと拡大しています。 ■感染状況は? 農林水産省によりますと11月6日、福岡県で初めて乳牛への感染が確認されました。12月9日現在、福岡県の18農場(乳用16農場、乳用・肉用1農場、肉用1農場)、熊本県の2農場(乳用1農場、乳用・肉用1農場)で発生が確認されているということです。 当初は、特に九州内での感染拡大が懸念されていましたが、発生地は2県にとどまっており、各農家による対策が効果を上げているとの見方もあります。農林水産省は引き続き牛の健康観察や害虫の駆除、消毒などの徹底を呼び掛けています。 また長崎県では発生地からの牛の移動を控えるよう、農家に呼びかけているということです。 ■媒介するのは「蚊」 ランピースキン病は主に「蚊」などの吸血昆虫が媒介し、感染を広げます。 【伝播方法】 ・蚊、ハエ、ダニなどによって機械的に伝播。 ・汚染された飼料、水、器具を介して感染。 (肉による伝播リスクは無視できる) ■症状は? 感染すると皮膚の結節や、発熱、鼻や目の出血、乳汁の減少などの症状が出ます。症状が表に出ないものから重篤なものまで様々で、症状が出ていない感染牛の移動も感染拡大の要因になります。 死亡率は1~5%と高くありませんが、泌乳ピーク期の乳牛や子牛で症状が重いため、生産性の低下や風評被害などが懸念されています。
長崎放送