「岡山芸術交流2025」が鑑賞料無料へ
岡山市中心部の岡山城・岡山後楽園周辺エリアで開催される国際現代美術展「岡山芸術交流2025」(会期:2025年9月26日~11月24日)の鑑賞料が無料となる。 背景にあるのは、アーティスティック・ディレクターのフィリップ・パレーノから示された、「屋外の都市空間を多く活用し、岡山の街自体が作品になる」という構想(ステイトメント)だ。2016年の初開催以来、過去3回は屋外展示は無料・屋内展示は原則有料(最大1800円)だったが、より多くの人が鑑賞・参加できるように、すべての会場で鑑賞料を無料化される。 同芸術祭実行委員会は、今回の無料化を通じ、「地域の人々を含む、より多く幅広い人々にこの地域に根付いた国際現代美術展に参加してもらうこと」「これからのAI共存時代を担う多くの子どもに、世界的な現代アート作品などを生で体験する貴重な機会を提供すること」という今回の岡山芸術交流2025が重点的に取り組むビジョンを形にしていくとしている。 国内では多くの地域芸術祭が行われているが、このような規模の芸術祭において鑑賞料が無料化されるのは珍しい。様々なものが値上げされるなか、こうした取り組みは大きな意義を持つだろう。2025年は30万人の来場者を目指しており、無料化によって生じる減収の補填は人件費節減などで賄うという。 なお岡山芸術交流2025のタイトルは「青豆の公園」で、参加作家は以下の通りとなっている。 シェヘラザード・アブデルイラー・パレーノ、マリー・アンジェレッティ、マルティーヌ・ダングルジャン=シャティヨン、アルカ、アニルバン・バンディオパダヤイ、ニコラ・ベッカー、イアン・チェン、ジェームズ・チンランド、メアリー・ヘレナ・クラーク、マティ・ディオップ、フリーダ・エスコベド、FABRYX、シプリアン・ガイヤール、ニコラ・ジェスキエール、リアム・ギリック、ホリー・ハーンダン&マシュー・ドライハースト、Isolarii、アレクサンドル・コンジ、ミレ・リー、ルクレシア・マルテル、中田英寿、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、プレシャス・オコヨモン、レイチェル・ローズ、ディミタール・サセロフ、ティノ・セーガル、 島袋道浩、サウンドウォーク・コレクティヴ、ラムダン・トゥアミ、アンガラッド・ウィリアムズ(12ヶ国30組)