サニブラウンが後進育成 「現役ならではの効果」強調―陸上
陸上男子100メートルのパリ五輪代表、サニブラウン・ハキーム(東レ)がオフに後進の育成に着手した。 【写真】「体づくり教室」で子供たちと交流するサニブラウン 中高生向けのトレーニングキャンプを開き、自ら大会を開催。「最前線で戦っているからこそ、引退した後よりも心に響く。現役ならではの効果はものすごくある」と熱く語った。 現役選手としては珍しい取り組み。日本の陸上界を盛り上げたいとの思いで企画を練ってきた。 キャンプでは合同でのトレーニング後、中高生と個別で話す時間を設けた。ほとんどの参加者がサニブラウンに聞きたい内容をノートにたくさん書いてきたという。精神面の助言を求める声も多く、「世界のトップで戦っているアスリートの気持ちを聞く機会はなかなかない。この子たちが成長して、それを下の世代に伝える流れをつくっていけたら」と期待を込めた。 キャンプ翌日には小学生を相手に体づくりの教室を開き、小中高生対象の「DAWN GAMES」決勝大会を開催。子どもたちと交流し、自身も大いに刺激を受けた。「どんどん規模も大きくして、いろんな子どもたちにチャンスをあげられるような大会にしていけたら」と意欲的だった。 「2段階ほど一気に(世界の)レベルが上がった」と表現したパリ五輪では、準決勝で自己ベストの9秒96を出しても決勝に進めなかった。3大会連続入賞が懸かる来年9月の世界選手権東京大会で、その悔しさを晴らそうとしている。「課題を修正して、海外の選手に追い付き、追い越せるように頑張りたい」と競技面での活躍も誓った。