伝統工芸と猫グッズがコラボ、野良猫の保護団体がCF募る
徳島県三好市の山間部で野良猫の保護活動に取り組む一般社団法人「まち猫フルネス」の代表理事、小松珠鈴(すみれ)さん(21)らが、県内の伝統工芸を生かした猫グッズの開発を進めている。猫グッズを販売し、地域を活性化しながら活動費を集める狙い。開発に向け、県のふるさと納税を活用したクラウドファンディング(CF)で協力を求めている。(吉田誠一) 猫のえさ用に作られた大谷焼の器
小松さんは、三好市で廃校の利用やデザインなどを手がける会社「ハレとケデザイン舎」に勤務後、今年2月にまち猫フルネスを設立。同社は旧出合小学校の教室をリノベーションしてカフェを運営しており、小松さんは今年8月、同じ校舎内に来場者が有料で保護猫とふれ合える「保護猫ルーム」を開設した。
ルームには、連携するボランティアが保護した猫6匹がいる。今後、飼育を続けたり、新たに野良猫を保護し、病気の検査や治療、不妊手術を受けさせたりする費用が必要となる。
このため、小松さんは同社代表の植本修子さん(52)とともに、伝統工芸とコラボした猫グッズを製作・販売し、活動費に充てようと考えた。
2人は、各作家たちに協力を求めて試作を重ね、▽祖谷地域で害獣となっているシカの革を藍染めにした腕輪や猫の首輪▽大谷焼の猫のえさ入れ▽1枚ずつ色を変えられる美馬市の印刷所の技術を生かしたポストカード――を製作した。
こうした2人の事業について、県は今年度、ふるさと納税制度を活用したCFの支援事業に選出した。
小松さんらは、大学支援機構のCFサイト「おつくる」で、200万円を目標に12月末まで寄付を募っている。2000円からで、寄付者は税控除を受けられる。県外の人への返礼品には、伝統工芸の猫グッズのほか、猫のTシャツ、エコバッグなども用意している。
来年度に猫グッズの販売を始める予定で、植本さんは「猫に関する商品の開発、販売で保護活動を支えたい」。小松さんは「活動を通じて地域活性化もできれば」と話している。