バイル仏首相、ルペン氏と16日に会談-政権樹立への取り組みに着手
(ブルームバーグ): フランスのバイル首相は16日、極右政党・国民連合(RN)を事実上率いるルペン氏と会談する。明確な多数派を持たない分裂議会での予算可決を可能にする政権樹立に向けた取り組みに着手する。
RNの広報担当者によると、ルペン氏とバルデラ党首が午前9時(日本時間同日午後5時)にバイル氏と会談する予定。バイル氏が協議する議会内の政治団体としては、マクロン大統領がバルニエ前首相の後任として13日に指名した後で初となる。
バイル氏がルペン氏との会談を選んだのは、7月の国民議会(下院)選挙後にルペン氏の影響力が高まっているためだ。ムーディーズ・レーティングスが週末にフランスの信用格付けを「Aa3」に引き下げたことで、政権樹立と予算成立に向けた取り組みは緊急性が増している。
RNの広報担当者で議員のローラン・ジャコベリ氏はフランス・アンフォのテレビ番組で、「バルニエ氏は事実上、われわれが存在しないかのように振る舞った」とし、RNを軽視しRNの支持者を侮辱するような行為はやめるべきだと述べた。
首相府の広報担当者は現時点でコメント要請に応じていない。
RNは左派連合「新人民戦線」のバルニエ氏に対する不信任決議案に賛成票を投じた。RN側は財政赤字の削減ペース鈍化を求めている一方、左派は増税とマクロン氏の年金改革撤回を主張している。
ルペン氏は、次期政権が財政赤字削減に性急ではないアプローチを取る限り、協力する用意があると述べている。今月のブルームバーグとのインタビューでは、次期首相が財政赤字縮小をより緩やかに進める用意がある限り、フランスは内閣崩壊を乗り越えて「向こう数週間」で2025年の予算を成立させることが可能だと述べた。
マクロン氏の中道連合が支持するバイル氏は、ルペン氏をなだめつつ、極左政党・不服従のフランス(LFI)から離れる兆しを見せている中道左派・社会党(PS)からの支持も得たい考え。