【バレー】就実高が再認識した「バレーができる感謝」 フィリピン遠征で「どうしても知ってもらいたくて」と向かった先
キャプテン交代を経ていざ国スポの頂点へ
チームのモットーは「基本に忠実に」。今年も含め、直近5年で3度の日本一に輝く春高では、いつもその姿を体現していた。だが、今季はその信念が揺らいでいた。福村、髙橋凪、押川優衣の3人のスパイカーは1年生時からコートに立ち、昨年度の春高の頂点も知る。しかし、準優勝に終わったインターハイを含め、最上級生になってからの立ち居振る舞いに指揮官は満足できていなかった。 「3年生が3人いるから誰かに任せているのか。ミスが嫌いなのか、恐る恐るバレーをするので。この3枚がどしっと立ってくれれば、うちのチームはほんとうに強いのに…。私たちがやらないと、じゃない。私がやらないといけない」 異国の地で西畑監督は手を打った。遠征初日に行われた、現地大学リーグ1位チームとの試合。ラリーが続くなかで、ミスを重ねたのは3年生だった。福村が「基本を徹底できていないプレーをしてしまった」と振り返るように、ほころびが目立ってセットを奪えず。試合を終えると、西畑監督はキャプテンを福村から2年生の比留間美晴に代えた。 なかでも、指揮官が奮起を求めるのがエースの福村だ。春高連覇に導いた深澤めぐみ(久光)の番号「4」を1年生から背負い、得点源としてチームを背負ってきた。だが、西畑監督は「福村は皆さんが思われているより精神的に弱い。今までのエースに感じていた安心感がまだありません」ときっぱりと言う。 3年生がどうあるべきか。福村は知っていたつもりだった。2年前は岩本沙希(日本体大2年)がキャプテンを剥奪された。1年前は、下級生時からコートに立つ河本菜々子(青山学院大1年)、岡﨑杏(桜美林大1年)がメンバーを外されたこともあった。 「まだまだ足りてない、ダメなんだな、って。ミクさん(西畑監督)には『3年生の安定はチームの安定』と言われていて、それは去年も一昨年もずっと3年生が言われていました。頭ではやらないといけないとわかっているけど、実際はそううまくいかない。情けないというか、自分のふがいなさが悔しかったです」(福村)