侍ジャパン、決勝進出王手!牧秀悟がV満弾「全員でつながった得点」
国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の2次リーグ第2戦が行われ、日本はベネズエラに9-6で逆転勝ち。2点を追う六回に追い付き、なお満塁で牧秀悟内野手(26)=DeNA=が左翼席へ決勝のグランドスラムを放った。日本は2次リーグ2連勝で、上位2チームによる24日の決勝進出に大きく前進。23日の台湾戦に勝てば2次リーグ1位が確定し、敗れてもベネズエラ―米国の結果次第で2位以内に入る。 打った瞬間に本塁打を確信した。総立ちのスタンドに、牧は飛び跳ねながら両手を大きく掲げ、歓喜のダイヤモンド一周へと歩み出した。値千金の決勝グランドスラム。東京ドームの割れんばかりの大歓声に感情を爆発させた。 「いや、もう、本当に最高でした。声援がすごかったのでうれしかった。全員でつながった得点。打てたのは、みんなのおかげ。束になって逆転して勝つことができてよかった」 六回に2点差を追い付いてなお2死満塁。1ボールから甘く入った変化球を逃さずに捉えた。打球速度106マイル(約170キロ)を計測した一打は左翼席中段へ。一塁ベンチ前で仲間の祝福を受け、右肘を突き出して拳を握る恒例の本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を侍メンバー、ファンとともに叫んだ。 17日の1次リーグ、キューバ戦の第4打席から9打席連続で安打がなかったが、これ以上ない絶好機で真価を発揮。勝負強さに期待する井端監督の6番起用に応えた。台湾には応援に来られなかった愛妻と子供もスタンドで見つめる前で、頼もしい一家の大黒柱が最高の景色を届けた。 この日の試合前にMLB公式サイトの記者から取材を受けるなど、日本の中心選手として世界からの注目も集まる。世界一となった昨春のWBC以降、国際大会に出続ける牧は「いろいろな国の、野球をやっていない人にも名前を知られるのはうれしいこと。これから先もできる限りは出場したいし、世界の人と関わりを持てるようにやっていきたい」と語った。 プレミア12で2連覇を狙う日本は2次リーグ2連勝で決勝進出へ大きく前進。1次リーグから無傷の7連勝を飾り、国際大会26連勝とした。一気に4打点を上乗せした牧は小園と並び8打点で、中大の後輩、森下らとともに大会MVP候補に再浮上。日本シリーズを制したDeNAで主将として掲げたスローガン「勝ち切る覚悟」を侍でも体現し、今年2つ目の頂をつかみ取る。(浜浦日向)