【横山杯】ファイナル進出に王手をかけた前橋育英、期待のルーキー立石陽向と守備に自信を持つボランチ中川希汐が活躍!
12月27日にあった横山杯第25回全国ユース招待サッカー大会、順位別リーグ決勝第1グループの前橋育英(群馬)が、習志野(千葉)とのシーソーゲームを3-2で制し、予選リーグからの連勝を5に伸ばし、ファイナル進出に王手をかけた。28日に横浜創英(神奈川)に勝つと無条件で決勝に進み、決勝第2グループの1位チームと対決する。 【フォトギャラリー】前橋育英 vs 習志野 前半は両チームとも質の高い攻撃の組み立てができなかった。互いに相手の守備を切り裂くパスが少なく、ドリブルで相手マーカーをきりきり舞いさせるプレーも見られなかった。必然的に得点を奪うビッグチャンスはなかった。 しかし後半を迎えるとそんな流れが一変する。 前橋育英が先制。8分、トップ下を任された1年生のMF立石陽向が鋭い出足で相手ボールに襲い掛かり、奪い取ると間髪入れずに左足を振り抜いた。 立石は28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権大会の登録メンバーに、1年生で唯一名を連ねた。このホープは「相手の選手が長くボールを持っていたので、取れるかなと思ってプレスを掛けました。奪い取った瞬間、GKが真ん中に立っていたので(左)隅を狙いました。右利きですが左足が得意で、左足のほうがよく決まるんです」と喜んだ。 第103回全国高校サッカー選手権群馬予選では共愛学園との決勝に途中出場。「全国大会でも出番があったら思いっ切りプレーしたいです」と言い、明日の開会式に参加するため急いで東京に向かった。 前橋育英はその後、習志野に2度追い付かれ引き分け濃厚となっていた後半34分、ドラマ仕立てのような決勝ゴールを呼び込んだ。 2点目を決めたFW山西智也(2年)が、左スローインをヘッドで落とすとボランチ中川希汐(2年)がボールを預かり、ペナルティーエリアに入る少し前から豪快な右足シュート。鋭い球筋がゴールの左上に突き刺さった。 派手なガッツポーズを何度もつくり、チームメートに祝福される中川。「相手の2点目は自分のファウルからFKを与えて失点したので、何とか取り返したいと思っていた。決められて、もうめちゃくちゃうれしいです」と大喜びした。 相手のパスコースを封じるプレーをはじめ、球際での攻防やボール奪取など守備には自信がある。半面、攻撃力と展開力が課題だという。「だからこういった遠征を通じて積極的にシュートを打ち、ゴールを決めたい。今回の選手権ではメンバー入りできなかったので、結果を出して来年こそトップチームに昇格したいですね。横山杯も優勝を狙います」と意気込みを示した。 (写真・文=河野正)