【石破総裁vs麻生最高顧問】ふてくされた麻生さんが、なしとげたいことは何だろう?アドラー心理学で読み解くと…
麻生さんがふてくされていた。石破総裁が率いる自民党新執行部での、9月30日の臨時総務会。麻生さんは最高顧問として石破総裁の隣に座ったものの、表情は終始硬いままで、新執行部での記念撮影にも応じることなく立ち去った。こうした態度にネット上では「子供じみている」「大人げない」といった声も上がっていた。なぜ麻生さんは最高顧問の依頼を引き受けたのに、あんなにむすっとしていたのか? 麻生さんの「不機嫌」を読み解くには、心理学三大巨頭の一人・アドラーの視点が役立ちそうだ。(JBpress) 【写真】まさにアドラーの言う通り?同じ環境であっても、相手が変われば、とたんに「機嫌のよい人」にもなれる…。自民党の臨時総務会で、森山裕幹事長(中央)と談笑する麻生太郎最高顧問(左)=9月30日午後、東京・永田町の党本部 (*)本稿は『みんな違う。 それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと』(岩井俊憲著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・再編集したものです。 ■ 人が不機嫌なのには「目的」がある 職場で仕事をしていると、キーボードを強く叩いたり、「はぁ」と大きなため息をついたり、会話の声がとげとげしていたり。職場には、イライラしている人、不機嫌な人がいます。 すると、「あれ、何か悪いことがあったのかな」とか「私のさっきの言い方がよくなかったのかな」などと、「原因」を探す人がいます。 しかし、このように人がイライラしているとき、不機嫌なとき、アドラー心理学では、「原因」を考えるのではなく、「目的」を考えます。 「目的ってどういう意味だろう?」と思った人もいるでしょう。 「イライラする」という態度をとることで、「達成したいこと」「伝えたいこと」(=目的)があると考えるのです。
■ 不機嫌な人の「原因」より「目的」を考えてみる たとえば、イライラしている人は、「イライラする」という態度を通して「自分は忙しいことをわかってほしい」とアピールする「目的」があります。 あるいは「ものごとがうまくいっていないことを伝えたい」という「目的」もありえます。 「不機嫌」という感情についてアドラーはこういう言葉を残しています。 「この子が社会的なつながりを取れないこと、その結果、不機嫌であることが彼女に残された活動のほんの数少ない領域の一つだということを示しています。不機嫌であることは、彼女の母親を拒む最良の手段でもあり、だからこそ、不機嫌であることを好んでいるのです」 『アドラーのケース・セミナー』 つまり、「不機嫌でいること」は「母親を拒む」という「目的」を達成するための最も良い手段だということです。 不機嫌な人を見ると、多くの人は「彼・彼女に何があったのだろう」と「原因」を探ろうとしがちです。 しかし、先ほどもお伝えしたように、人間は、同じ状況・環境であっても、同じ行動をとるわけではありません。 「○○だから、必ず××になる」「○○する=××になる」という、因果関係が成立しているわけではないのです。 であれば、「なぜ少女は不機嫌なのか」と「原因」を考えるのではなく、「何の目的があって不機嫌でいるのか」と「目的」を考えたほうが適切といえます。