インタビューに応じる、りそな銀行の岩永省一社長＝東京都江東区（斉藤佳憲撮影）

りそな銀行の岩永省一社長は9日までに産経新聞のインタビューに応じ、個人客からの金融に関する相談対応に特化した新型の店舗「りそな！n（イン）」をオープンする計画を明らかにした。政府が「資産運用立国」を掲げる中、「今後増える対面相談のニーズに応える」と意欲を示した。 令和7年度前半までに首都圏や関西圏に約10カ所構えることを検討している。まず今年11月に奈良県の商業施設にオープン。来年1月には東京都江東区に設ける。対面相談は土日も受け付け、趣味や住宅購入、健康などさまざまなテーマでイベントを行い、来店客に金融との接点を提供する。 店舗名の「！」には「驚き・発見」という意味を、「n」には「未来」（next）や「新しい」（new）という意味をそれぞれ込めた。人の流れが多い商業施設や駅ナカなどに出店して足を運びやすくし、りそな銀で口座を開設していない利用者の来店機会に結びつける狙いもある。 投資や資産運用が身近になる中、岩永氏は「投資教育よりも経済の仕組みを知ることが重要だ」と強調。「経済の動きが頭の中にあれば、相場が荒れても心理的な動揺は抑えられる」と指摘し、金融機関として金融経済教育を後押ししていく姿勢を示した。 取引先など企業の従業員向けの金融経済教育のセミナーも実施。6年度は年間100社、5千人の参加を目指す。岩永氏は「人を派遣するだけでなく、デジタルコンテンツも提供していきたい」と語った。（宇野貴文）