オーケストラ指揮者の時給800円に当事者「無の境地」 相場を作るのもプロの仕事?価値と報酬の関係は
音楽家向けの法律相談「Law and Theory」を運営する水口瑛介弁護士は「会社員は、業務命令で研修や勉強を行うのであれば給料になるが、自主的に学ぶのは当てはまらない」と指摘する。一方でフリーランスは、「拘束時間に業務の質や価値を掛け合わせた想定単価を提示して、先方がOKするか否かで価格を決めていく」と語る。 指揮者は、音楽学校を卒業後、「楽団所属」「海外留学」「弟子入り」の3つの手段から門をたたく。演奏者のまとめ役・司令塔として個々の表現力も高める役割を持つが、他の演奏者と異なり終身雇用はなく、「年間○回の公演」等の条件で契約される立場だ。 林さんは「一定のラインに達しないと、歯牙にもかけられない」と、指揮者業界の現状を語る。「僕が取ったコンクールは知名度がないが、世界的に権威があるコンクールで1位を取ると、一目置いてもらえるようになる」。
自己研鑽については「楽譜を読めば読むほど、蓄積されるものがある」といい、「映像記憶力がある人は、パラパラとスコアをめくるだけで全部記憶でき、移動中にスコアを持たなくても勉強できるらしい。そうした能力を価格に反映するのは難しい」と述べた。 (『ABEMA Prime』より)