災害時の自販機…どう活用? “無料で取り出し”「災害支援型自販機」 【#みんなのギモン】
刑事法が専門の近畿大学の辻本典央教授に話を聞きました。「平時なら、刑法上、自販機を壊す行為は器物損壊罪にあたる。ただ、災害時は処罰されないケースもある」といいます。きわめて例外的な措置として、命にかかわる危険を避けるためのやむを得ない行為と認められた場合です。 その一方で、今回どういう状況だったのかにもよるが、重篤な状態の人がその場にいたなどの例がなく、いつ救援が来るかわからないため、飲料水を確保しておこうというレベルでは、やむを得ないと認められず、処罰の対象になりうると指摘しています。 今回、未曽有の災害で慌ててしまったと思うが、大前提として、自販機は他人のものであることを忘れてはいけないと話していました。
■全国で約6000台…東日本大震災でも商品を無償で提供
こうしたコカ・コーラの自動販売機は、学校や公共施設、病院など現在、全国で約6000台設置されているといいます。 2003年から設置が始まり、2011年の東日本大震災の時には約400台が稼働し、8万8000本以上が無償で提供されたといいます。首都圏でも帰宅困難者の避難施設などで無料で提供されたそうです。 災害支援型の自動販売機には、支援型だとわかるよう表示がされているものもあります。鍵で開けるタイプのものは、自販機の管理者に鍵が預けられていることが多いそうです。
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■自販機の横にロッカー マスクや簡易トイレを備蓄
こうした災害支援型の自販機は、様々な種類があります。 災害発生した時に鍵を開けて商品を取り出せる自販機ですが、機種によっては飲み物が最大で約500本、食品が約100個入るといいます。さらに、自販機の横にはロッカーが設置されていて、中にはマスクや簡易トイレが備蓄されているということです。これも無料で提供されるということです。全国各地の病院や学校などに設置されているそうです。 また東京都内には、防災ラジオ付きの自動販売機が設置されている公園もあります。各地のFM放送局と大手飲料メーカーによる取り組みで、全国に100台以上設置されています。最大で約100メートル先でも聞こえるほどに音を大きくできるといいます。災害支援型の自販機が身の回りにあるか確認してみるのもいいかもしれません。 (2024年1月24日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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