<日本S速報>ソフト、4-0の完封リレーで連勝!
日本シリーズの第2戦が25日、福岡のヤフオクドームで行われ、ソフトバンクが4-0でヤクルトに連勝した。ヤクルトの先発、小川からイ・デホが4回に先制2ラン。その後、追加点を重ね、守っては先発のバンデンハークが150キロを超える直球にナックルカーブを交えたピッチングで8回を3安打無失点。9回は守護神、サファテにつなぐ完封リレーで快勝、ヤクルトを“準王手”と追い込んだ。過去の日本シリーズのデータでは、1、2戦を連勝したチームの日本一確率は、約77パーセントとなっている。
1回は見ごたえのある攻防になった。 シーズン、無敗のバンデンハークの立ち上がりに1番に入った上田が左前打で出塁すると、ヤクルトベンチが動く。川端の初球に盗塁を仕掛けた。だが、スタートも少し遅れ、高谷の送球もストライク。二塁憤死でチャンスをつぶす。 一方、対小川用に左打者を6人並べたソフトバンクも、1番に入った福田が右前打。続く明石の打席では、バントの気配を一切見せず、カウント2-1から盗塁を仕掛け、こちらは対照的に成功した。明石が四球を選び、無死一、二塁にしたが、トリプルスリーの柳田が、詰まったショートゴロで三塁封殺、イ・デホもフルカウントからフォークに三振。走者がスタートを切って、二死二、三塁と進めたが、松田は、レフトフライ。互いに先発投手が譲らなかった。 “ライアン”小川には、対ソフトバンクへのトラウマがある。5月29日の交流戦のソフトバンク戦で、内川、イ・デホ、柳田、松田に4本塁打を浴びて7失点KOされていた。この日は、2回以降は、球数を使ってもフォーク、カットボールを低めに集め、粘り強いピッチングを続けていたが、また1球に泣く。4回先頭の柳田を四球で歩かせると、続く、イ・デホに真ん中に入っていく変化球を救いあげられた。高々と上がった滞空時間の長い打球は、先制の2ランとなってレフトスタンドへ。初戦も3安打。日本シリーズ男の座を松田と争っているイ・デホは、一塁へ走らず打球を目で追った。 「打ったのはカーブ。昨日から調子よく打てているので、タイミングを崩されつつも、うまく打つことができました。先制できて良かったです」。イ・デホは、満足そうなホームラン談話を試合中に回した。 小川は5回を持たず降板。真中監督の「先発が粘ること」という指令を守りきれなかった。 ソフトバンクは6回にも、2番手・秋吉から、一死走者無しの場面で、7番の中村がライナーでライトのホームランテラス席に飛び込むソロアーチ。さらに今宮が中前打、高谷のバントを秋吉が二塁へ送ったが、間に合わずに犠打野選となり、ここで福田がバットを折りながらライト前へタイムリー。「ランナーのいる場面で打てて本当によかったです」。スタメン抜擢に応えた福田の声も弾む。この回、2点を追加しリードを4点に広げた。 選手時代に西武、ソフトバンクの前身のダイエー、巨人で日本シリーズ優勝を経験している工藤監督は、短期決戦のキーポイントを「大切なのは、守り、先発ピッチャーがどれだけ粘れるか」と語っていた。 先発のバンデンハークが、その指揮官の期待に応える。2回以降、150キロを超えるストレートと、ナックルカーブを使ったピッチングで、ヤクルト打線を5回まで、毎回三振の7奪三振。三塁さえ踏ませない。6回にも、二死から上田にヒットを許したが、川端を左飛。クリーンナップから始まる7回にもマウンドに上がり、山田を一塁邪飛、畠山を左飛、雄平を遊ゴロに打ち取った。結局、8回を投げて、3安打無失点のまったく隙を見せない内容で、9回は、クローザーのサファテにバトンタッチ。そのサファテが、最後を3人で締めくくって完封リレー。ソフトバンクがヤクルトに“らしさ”をまったく出させずに連勝を飾った。 ヤクルトは、山田にようやくシリーズ初ヒットが出て、盗塁も決めたが、ストレートに差し込まれるバッティングが目立ち、バレンティンが、この日もノーヒットと、まったくタイミングが合わずにブレーキとなっているのが、深刻な問題点。日本シリーズは27日から舞台をヤクルトの本拠地、神宮球場へ移すことになる。