ペイパル「PYUSD」がイーサリアムとソラナ間で転送可能に、レイヤーゼロのOFT標準採用で
PYUSDがEthereumとSolana間転送可能に
米決済大手ペイパル(PayPal)が、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」と統合し、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)間で、独自ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」の転送を可能にした。「レイヤーゼロ」の公式ブログより11月12日発表された。 ペイパルは、この「PYUSD」転送を可能にするために、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」のトークン規格である「オムニチェーンファンジブルトークン:Omnichain Fungible Token(OFT)標準」を採用したとのこと。 「OFT標準」は、異なるブロックチェーン間でトークンが均一に動作するための標準化されたフレームワークである。 これによりユーザーは、ペイパル(PayPal)および同社傘下のモバイル決済アプリ「ベンモ(Venmo)」などの中央集権プラットフォームを介さずに、セルフカストディ(自己管理)型ウォレットから、イーサリアムとソラナ間で「PYUSD」を移動できるとのこと。 また、ペイパルによるとイーサリアムとソラナ間で行われる「PYUSD」の転送は、パクソス(Paxos)、グーグルクラウド(Google Cloud)、レイヤーゼロラボ(LayerZero Labs)が構成する分散型検証ネットワーク(DVN)によって安全性が確保されるという。 さらにパクソスにおいては、必要に応じて検証者の追加や入れ替えが出来るため、特定の企業や機関に依存しない仕組みで、セキュリティをより強化しているとのこと。これらにより、「PYUSD」の転送におけるエンタープライズグレードのセキュリティの確保が可能とのことだ。 ●OFT 標準とは 「OFT 標準」は、「レイヤーゼロ」のメッセージングインフラ上に構築されるトークン規格であり、「レイヤーゼロ」のサポートするチェーンでのブリッジを可能にする為のものである。 「OFT標準」はブリッジの際に送信元のブロックチェーンでトークンのバーン(焼却)を行い、送信先のネットワークで同等量のトークンをミントする「バーン/ミント方式」のブリッジだ。
一本寿和(幻冬舎 あたらしい経済)