姿月あさとさん 忙しかった母親の「ゼリー寄せ」は寒天を使って…“特別な日のごちそう”だった【私のおふくろメシ】
【私のおふくろメシ】 姿月あさと(歌手/54歳) ◇ ◇ ◇ 元宝塚歌劇団の宙組初代トップスターで、現在は歌手活動が忙しい姿月あさとさん。おふくろメシはゼリー寄せ。ゼラチンではなく、好きな寒天で作る一品だ。そして卵焼きも思い出の味だという。 【写真】新沼謙治さんと“なべ焼き”の思い出「都会のうどん屋で『鍋焼き』頼んだら違う料理が出てきて…」 ゼリー寄せといっても母親の場合はゼリーではなくて、寒天で作ってくれていました。いろんなお野菜を入れて最後に固めるのは寒天なんです。 いろんな方が家に集まるような特別な日によく作ってくれましたね。見栄えがいいですから、前菜みたいな感じでお出しして。 中身はその時、その時にあるお野菜で変わります。 写真にある料理は母親を真似して私が作りました。中身は画像では少しわかりにくいかもしれませんが、枝豆、プチトマト、ヤングコーン、ナス、シイタケなど。その日にある野菜を細かくして入れていますので、多分、ズッキーニも入れたと思います。はっきりしなくてすみません(笑)。 母親がゼラチンは使わず寒天を使っている理由は、よく固まって溶けないこと。それとヘルシーなこと。あと、なんといっても私が子供の頃から寒天が大好きだったからなんです。 型は四角のものが多いですが、写真にあるように丸い型で作るとパーティー料理っぽくなりますよね。 実はこのメニューを作ってくれるようになったのは私が大きくなってからなんですよ。私が小さい頃は両親が共働きでしたから私のご飯はおじいちゃん、おばあちゃんがよく作ってくれました。とくにおじいちゃんが料理上手だったんです。 ですから、ゼリー寄せは本当に特別な日だけ。忙しい母親が作ってくれた回数の多いメニューは卵焼きでした。本当のおふくろメシはというとシンプルですが卵焼き。母親が作るのはいつもおだしのきいた、いわゆるだし巻き卵。これが本当においしくて。
東京で食べた甘い卵焼きにビックリ
私、卵焼きといえばこれしか知らなかったので東京に来て甘い卵焼きを初めて食べた時はビックリしました。 それからいろんな卵焼きを食べてきましたが、母親の作る卵焼きが一番好き。今も大阪の実家に帰ると作ってもらいますし、母親が東京に来てくれたら、帰る前には必ず卵焼きを作ってくれます。 それからもうひとつ、子供時代の思い出のメニューといえば高野豆腐の煮物。お話ししたようにおじいちゃん、おばあちゃんが料理してくれる日が多く、オカズは煮物が多かったんです。高野豆腐の他にもいろんな煮物、筑前煮とか。おじいちゃん、おばあちゃんの作る煮物にはカボチャだとかひじきや切り干し大根など日本の煮物という感じ。子供の私はとても好きで、全部おいしかったですね。 私自身は料理は嫌いではないですし、やりますよ。お味噌も極限までお塩を抑えた自家製です。そしてお塩を使わず、素材そのものの味を生かした料理が多いですね。例えば、厚揚げやコンニャクが好きなので、煮物をよく作ります。また、オーガニックのお野菜などにもこだわって、いただくようにしています。 お野菜に触れているとなんとなく、心が落ち着きます。お野菜も50度のお湯につけてから保存すると、より新鮮になり、長持ちしますよね。 年末年始はコンサートが多いんです。クリスマスのディナーショーでは元宝塚の風花舞さんをゲストに招いてクリスマスソングをたくさん歌います。今年はパリ五輪がありましたから、フランス映画「男と女」の曲なども。歌と踊りが盛りだくさんです。 ショーは体力を使いますので、おふくろメシやおじいちゃん、おばあちゃんメシを食べて体に気をつけ、年末年始も元気にステージをお届けしていきたいです。 ▽姿月あさと(しづき・あさと) 1970年3月、大阪府出身。87年に宝塚歌劇団に入団。65年ぶりに新設された宙組初代トップスターとしても活躍。2000年に退団。現在は歌手活動。 「姿月あさと Christmas Dinner Show」 -Singin' with Dance“風の姿”-12月21日、昼夜の2回公演(場所・第一ホテル東京)詳細はHPへ。