雨音がしない傘も…障害者の声で生まれた便利グッズが福岡市・天神に集合
障害を持つ人にもそうでない人にも便利なグッズを紹介する催し「インクルーシブデザインでつながる未来:ウィークリーフェア」が2月28日から、福岡市・天神の大丸福岡天神店でスタートします。3月5日まで、生活の様々な場面で役立つユニークな商品やサービスが同店東館3階・イベントスペースに集まります。 【画像】紹介される様々なグッズの例
みんなに価値あるデザイン
「インクルーシブ」は「包括的な」を意味します。障害のある子もない子らも一緒になって遊べる「インクルーシブ遊具」が各地の公園で導入されるなど、耳にする機会も増えてきました。 今回の催しでは、障害者らの課題解決はもちろん、あらゆる人の不満やニーズに応えるものづくりの手法を「インクルーシブデザイン」と位置づけ、生み出された15の商品・サービスを展示します。 今年4月から、障害者差別解消法の改正により、事業者による筆談など障害のある人への「合理的配慮の提供」が、従来の努力義務から義務に変わります。同店はこうした情勢もふまえ、「業種などの垣根を越え、今後の社会に必要なアクションを考える契機に」と、PLAYWORKS(東京)とともに主催します。
「ユニーク」「便利」を紹介!
会場では、障害を持つ人の意見をふまえて開発された、ユニークで便利なグッズを実物やパネルで紹介します。 シチズン(東京)の腕時計「AC2200-55E」は、視覚障害を持つ人の意見を聞きながら開発されました。文字盤を触って時間を確かめられるよう、12時・3時・6時・9時を示す部分の凹凸を三角形にしたり、時針の先端を矢印の形にしたりして、指先の感触で分かりやすいよう工夫しています。 丸安洋傘(大阪市)の「サイレントアンブレラ」は、雨滴の音を二重構造で軽減します。視覚障害を持つ人は雨天時に外出する際、傘に当たる雨の音で走る車の音などがかき消され、不安になるとのこと。そうした当事者の相談がきっかけで、何年もかけてつくられたそうです。 錦城護謨(ゴム)(大阪府)とPLAYWORKSが共同開発した視覚障害者歩行テープ「ココテープ」は、幅48ミリで表面に高さ6ミリの三角形の突起があり、床に貼れば点字ブロックのように案内できます。簡単に持ち歩け、必要な場面でいつでも使えます。