子ども名義の口座に「児童手当」を貯めていますが、渡し方によっては「贈与税」がかかると聞いて不安です。もし全額貯めたら、税金はいくらかかりますか? 非課税になる方法があれば知りたいです
児童手当に贈与税をかけない方法
児童手当を子どもに渡すのに贈与税をかけないためには、どうすればよいのでしょうか。以下の2つの方法が考えられます。 ■学費や生活費など必需品として贈与する 貯まった児童手当を、学費や生活費などに使うお金として渡せば贈与税はかかりません。国税庁によると「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」には贈与税がかからないとされています。 例えば大学の学費、教科書代、下宿費用などがそれに当たります。通帳を渡したタイミングで245万円の贈与が成立したとしても、そのうち大学の学費に100万円、教科書代に10万円、下宿費用に60万円の合計170万円使ったとすれば、この部分には贈与税がかかりません。 残り75万円は基礎控除の範囲に収まるため、贈与税はかからないというわけです。ただし、贈与税がかからないのはあくまでも贈与した年にかかった費用に限られます。 また、税務署から指摘を受けた時のために、生活費・教育費として使ったことを証明するための領収書や振り込みの明細を残しておきましょう。 ■贈与があったことを子どもに知らせておく 子どもが自由に使えるお金として渡したいのであれば、通帳残高が110万円を超える前に子どもに通帳を与え、贈与を成立させる必要があります。それ以降は毎年12万円ずつの贈与となるので、贈与税はかからなくなるわけです。 ちなみに、児童手当が110万円に達するのは子どもが7歳、つまり小学校1年生の年齢の時です。通帳の存在を知らせるには少し早いかもしれませんが、お年玉を貯金させる、欲しいものを自分の口座のお金を使って買わせるなど、子ども名義口座を親子でお金の勉強に使ってもいいかもしれません。
親名義で貯めるのもあり
児童手当を子ども名義の口座に入れたからといって、その都度贈与が成立するわけではありません。通帳をそのまま渡すと、一括贈与として贈与税がかかる可能性があり、注意が必要です。 なお、預貯金の引き出しは原則本人のみが行えるものであるため、子ども名義の口座にしてしまうと必要になった時にすぐに引き出せないというデメリットもあります。児童手当は親名義の別口座に入れておいて、学費に使ったり、将来年間110万円を超えないように上手に贈与したりするのも有効な方法です。 出典 こども家庭庁 児童手当Q&A 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 執筆者:浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部