京の老舗・笹屋伊織、JALとコラボ第1弾 奄美産“ドラゴンフルーツ”が和菓子に変身!
有職菓子司として、京都で約300年以上歴史を歩んできた笹屋伊織と、JAL(日本航空)がコラボレーションし、地域の一次産業の活性化と和菓子職人の育成を通じた新たな挑戦をはじめた。 【画像】笹屋伊織・JALがコラボ~ドラゴンフルーツの和菓子 奄美大島のドラゴンフルーツを使用した生菓子「燦燦(さんさん)」と干菓子「紅宝(ルージュ)」の2種類が、8月1日(木)~31日(土)までの期間限定で京都・東京・札幌の笹屋伊織各店舗で販売される。 JALではかねてから、全国各地への流通が難しく、地元ならでは食材や、廃棄されてしまう食材を使用して「JAL Sweets Box with JAL cabin attendant」(※)として商品化し、地域活性化に取り組んでいる。 1716(享保元)年創業の笹屋伊織は、宮中や公家、寺社、華道家元などの御用達として歴史を重ねてきた。 笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさんは「『京菓子』のように、菓子の前に地名が付くのは京都だけ。1200年の都で、宮中や公家の要望に合わせ、絶えず新しいものを作り、菓子職人の腕が磨かれてきた。今回、ドラゴンフルーツという、京菓子では今まで扱ってこなかった食材を使用するのも、こうした歴史の上に成り立っている」と自信を見せた。 また、「和菓子は植物という自然の恵みを受けた原料を取り扱うことから、SDGsへの取り組みが進んでおり、自然に対する感謝や祈りを菓子に込めている。これも300年という歴史を紡いだ自信と責任がなせること」と抱負を語った。 笹屋伊織では2022年、「胡麻鼓」がJAL国内線ファーストクラスの茶菓として、昼食時に提供されている。 8月1日(木)~31日(土)までの期間限定で販売されるのは、見た目も鮮やかな、夏を感じさせる南国の奄美大島で生産されたドラゴンフルーツを取り入れた上生菓子「燦燦(さんさん)」(2種類1セット)と、干菓子「紅宝(ルージュ)」の2商品。 いずれも”レッドドラゴフルーツ”の美しい色を生かし、あんにクリームチーズやヨーグルトといった洋の食材を取り入れるなど、職人のこだわりと、新しい挑戦が詰まった商品に仕上がった。 奄美産のドラゴンフルーツは、台風などの天候の影響により収穫量が一定せず、傷みが早い。生産量の3分の1が廃棄されるという。さらに島ならではの物流問題もあり、島外へ安定供給することが難しい。そこで島内で果肉をピューレ状に加工している。その結果、廃棄される食材を減らし、一次生産者や地域事業者にとっても新たな販路拡大につなげている。 JALグループでは2020年、地域の活性化のために現地に移住し、社内公募で選ばれた客室乗務員で構成される「JALふるさとアンバサダー」という制度を立ち上げた。 奄美群島を担当するアンバサダー・川澄紘子さんは愛知県出身。奄美に移住して、「息をのむような美しい海と、島人(しまんちゅ)の暖かさに魅了された。職人の想いが詰まった色鮮やかな和菓子を手に取って、奄美の島々に興味を持っていただき、奄美群島の島々に足を運んでくださるきっかけに繋がれば嬉しい」と話す。 そして、「人の流れを生み出すには、単なる観光キャンペーンではなく、物産品の魅力をアピールすることも重要」と今回の企画の意義を語った。 世界自然遺産・奄美大島の美しい自然の中で育った鮮やかなピンク色が特徴のドラゴンフルーツは、実がギュッと詰まり、優しい甘さを感じられる。島では毎年7月に市場にドラゴンフルーツが並び始め、「ついに本格的な夏が来た」と島の季節を感じさせてくれるという。 笹屋伊織・製造部の寺田朋希さんは、「燦燦」《販売価格 税別1100円》について、トロピカルフルーツでマンゴーを使用してプリンやムースなどのカップスイーツを製造したことはあったが、ドラゴンフルーツは見た目の鮮やかなピンク色とは対照的に、あっさりとしていたため、「白あんとマッチする」と思ったという。 さらにドラゴンフルーツの形状をかたどるため、ドラゴンフルーツの果肉を混ぜた白あんと、すりつぶした山芋を練り合わせて球状にし、あんをそぼろ状にした”きんとん”で表現した。本来は淡い色合いが特徴の京菓子だが、ビビッドな色合いにして趣を変えた。 もう一つは、レッドドラゴンフルーツの果汁で色と風味を付けた”練り切り”。クリームチーズとドラゴンフルーツの果汁、白あんを合わせたあんを包みドラゴンフルーツの表皮を茶巾で表現した。 そして、干菓子の「紅宝(ルージュ)」《販売価格 税別1600円》は、レッドドラゴンフルーツの果汁で色、風味付けをした赤い琥珀糖と、ドラゴンフルーツの種だけを加え、ヨーグルト風味で酸味を利かせた白い琥珀糖の2種類。 いずれも今年(2024年)1月に構想が立ち上がり、5月に試作品が完成した。 ※「JAL Sweets Box with JAL cabin attendant」~JAL客室乗務員のアイデアから生まれたスイーツブランド 《「燦燦」「紅宝(ルージュ)」》 ■笹屋伊織 各店舗で販売(8月1日~31日) ・京都=笹屋伊織本店、別邸、南店、JR京都伊勢丹店、京都高島屋店、京都大丸店、SASAYAIORI+京都御苑 ・東京=新宿伊勢丹店、渋谷東急フードショー店、SASAYAIORI+新宿御苑(「きんとん+抹茶」「練り切り+抹茶」のいずれかのセット販売) ・札幌=札幌大丸店(干菓子のみ) ・・・・・・・・・・ JR嵯峨野線・梅小路京都西駅に直結しているホテルエミオン京都1階に、笹屋伊織のお菓子と裏千家が設計を監修した本格お茶室でお茶会体験ができる「笹楽庵(ささらあん)」が2023年にオープンした。 笹楽庵では、茶道に精通したスタッフによる本格的な茶道を体験したり、茶道家スタッフのお点前で茶の湯を体感できる。 ◆笹楽庵(ささらあん) 営業時間 10時~18時 定休日 無休 京都市下京区朱雀堂ノ口町20-4 ホテルエミオン京都1階 (JR嵯峨野線「梅小路京都西」駅から徒歩約2分)
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